エネルギー問題の俯瞰および全体戦略
- 日本国のエネルギーの流れと「超省エネ法」の紹介
- エネルギー専門家と専門機関の過ちを見抜く
- 鳩山公約は「環境ベルサイユ条約」と化す
- 水素エネルギー社会は夢で終わる(その1)――燃料電池車への疑問
- 水素エネルギー社会は夢で終わる(その2)――「政治的なエネルギー」か?
- 水素エネルギー社会は夢で終わる(その3)――R水素はコンセプト倒れとなる
- 自然エネルギーの次が原子力である!?(前半)
- 自然エネルギーの次が原子力である!?(後半)
- すでに一部が半植民地状態の日本の電力市場
- 電力消費者に回される20兆円の請求書
石油問題および脱石油戦略
天然ガスとメタン文明
- 東京ガス田の復活とメタンハイドレートの可採化に向けて
- ガスパイプラインで日ロは「ウィンウィンの関係」になるか
- なぜ石油に代わる最有力候補は天然ガスなのか?(後半)
- なぜ石油に代わる最有力候補は天然ガスなのか?(前半)
- 次の文明は「メタン文明」である(前半)
- 次の文明は「メタン文明」である(後半)
- 天然ガスの可採埋蔵量は数百年、将来は一千年
- ガス文明化でエネルギー安保は大きく向上する
- メタン文明への移行で日本のエネルギー自給率が大幅にアップする
- 「日本経済敗れて足元に巨大ガス田あり」という寓話
- ガス文明化で大幅な省エネが実現する
- 天然ガスは石油以上の万能エネルギーである
- ガス文明化でCO2排出を大幅に削減できる
- メタン文明「6つのメリット」まとめ――なぜメタン文明シフトが日本を救うのか
原子力全般およびニュー原子力
- 「反原発派は具体的な対案を出せ」に応えてみる
- 脱原発派に突きつけられる究極の選択
- 高レベル放射性廃棄物の根本的解決法としての地球外投棄
- 原子力が持続可能エネルギーになる日
- 原子力バージョン2.0―「キャンドル炉」と「海中ウラン採取法」のコンビ
エネルギー問題その他
*メニューの「エネルギー関連」の下位「エネルギー問題」と「石油関連」などからでも見られますが、以下、ブログカード方式でも貼り付けておきます。
エネルギー問題の俯瞰および全体戦略
日本国のエネルギーの流れと「超省エネ法」の紹介
エネルギー問題は日本の様々な社会問題の中でも最難問の一つである。これを解き、将来に向けたベストな戦略を練るためには、最低限、日本のエネルギーの需給構造を把握することが不可欠だ。だが、一般にはエネルギー自給率以外のことはよく知られていない。こ...
エネルギー専門家と専門機関の過ちを見抜く
私は折にふれ日本のエネルギー消費量が4兆kWhもあり、そのうち電力枠が1兆kWh、化石エネルギー枠が3兆kWhと説明してきた。むろん、1兆kWhの電力においても、原発事故前は火力(化石エネルギー)が6割を支えており、今現在は限りなく9割に近...
鳩山公約は「環境ベルサイユ条約」と化す
そもそも地球温暖化人為起源説の真偽を論じることは、一般人には分を超える。当該問題に関しては以下の客観的事実が存在している。1・地球の平均気温は上昇している。2・大気中のCO2濃度は年々増加している。3・CO2は温室効果をもつ。4・気候変動は...
水素エネルギー社会は夢で終わる(その1)――燃料電池車への疑問
メタン文明と紛らわしいものに、「水素文明」「ガス体文明」「気体エネルギー文明」などというものがある。最初のは文字通り「水素主体」の文明であり、後の二つも「水素+天然ガス」を意味している。共通しているのはエネルギー源として水素をメインに持って...
水素エネルギー社会は夢で終わる(その2)――「政治的なエネルギー」か?
水素の大量生産・保存・流通のいずれにも難がある水素エネルギー社会はある重大な問題を抱えている。前回の記事では、燃料電池車のエネルギー効率の悪さ以外にも、その本格的普及を支えるためには専用インフラの新規整備が不可避であるという意味のことを述べ...
水素エネルギー社会は夢で終わる(その3)――R水素はコンセプト倒れとなる
水素エネルギー論者の中には、水素こそ持続可能なエネルギーシステムの核となりうると考える人が少なくない。水素は地球圏にほとんど存在しないが、原料が水であるため、無尽蔵に存在するに等しい。しかも、直接燃やしても、燃料電池に投入しても、どちらにし...
自然エネルギーの次が原子力である!?(前半)
以下は、世間の常識からすればかなり風変わりな主張かもしれない。あまり賛成反対と熱くならないで、世の中にはこんな奇妙な考え方をする変わった者がいるのか、というやや引いた視線(?)で読んでもらえれば幸いである。原発か、自然エネルギーか、という二...
自然エネルギーの次が原子力である!?(後半)
結局「今の原子力」ではガスと自然エネルギーに勝てないこのように、郊外はそれぞれ電力自立させ、地元産の自然エネルギーを使った地産地消システムに移行したほうが合理的である。では、都市部用の電源としてはどうか。経済性の基準でいえば、今のところ原発...
すでに一部が半植民地状態の日本の電力市場
2013年4月6日(土)の日経新聞にこんな記事があった。韓国中堅財閥で太陽電池の生産・販売を手掛けるハンファグループは日本で再生可能エネルギーの売電事業に参入する。年内に総出力10万kWの太陽光発電所を建設する方針。総投資額は300億円程度...
電力消費者に回される20兆円の請求書
以下は資源エネルギー庁がリリースしている平成25年5月末時点の再生可能エネルギー発電設備の導入状況である。「太陽光(非住宅)」という項に着目してほしい。2011年度以前は累計でも約90万kWの設備容量に過ぎなかった。それが翌年に通称FIT法...
石油問題および脱石油戦略
石油文明から脱却するための具体的な方法
数ヶ月前、孫正義氏は年々膨張する化石燃料の輸入費のグラフを掲げて、「だから太陽光発電を増やしていかねばならない」と一席ぶった。一方、金融日記の藤沢氏の場合、結論部分が「だから原発維持」に代わっている。だが、私に言わせれば、両者は共に勘違いを...
急増する世界のエネルギー需要と石油消費
物質的に「豊か」になるとは、どういうことなのか。それはエネルギーや資源がもっと必要になる、あるいはそれを恒常的に大量消費するようになる、ということだ。現在、北米・EU・日本、その他の準先進国もあわせた人口はちょうど10億ほどだ。これらの国々...
新石油危機で日本は急激に没落する
避けられないイージーオイルの減少急増する世界のエネルギー需要と石油消費に対して、石油の供給のほうはどのような状況なのだろうか。2010年、IEAは「06年がピークオイルだったかもしれない」と認めた。11年2月には、英ガーディアン紙がウィキリ...
脱石油に向かって動き始めたアメリカと動かない日本
新石油危機はすでに始まっており、現状のような石油依存を惰性で続けている限り、どうやら日本の衰退は避けられそうにない。もはや「可及的速やかな脱石油」以外に日本の生きる道はないようだ。実は、日本が着実にその方向性を歩んできたのも事実である。一次...
見えてきた石油の限界
「昔、石油の埋蔵量は『あと40年分しかない』と言われていた。だが、それから40年経った今でも、相変わらず『あと40年分』と言われているじゃないか」このように冷笑する人が少なくない。BPの統計によると、2011年における石油の可採年数は「54...
天然ガスとメタン文明
東京ガス田の復活とメタンハイドレートの可採化に向けて
日本経済の沈滞ムードを吹き飛ばすには大胆な策が必要だ。国内のガス田としていつも注目されているのが中国と争いになっている東シナ海のガス田だが、われわれはそれ以上に己の足元に目を向けてみるべきである。東京の真下には巨大な「南関東ガス田」が眠って...
ガスパイプラインで日ロは「ウィンウィンの関係」になるか
ロシアの爆撃機が日本を周回した後で、あえて主張する。「日本はロシアとの間に天然ガスのパイプラインを敷設すべし」と。ロシアの天然ガスの可採埋蔵量は世界一の48兆㎥だ。未発見や非在来型ガスも含めれば、将来的に百兆㎥を超えても不思議ではない。宗谷...
なぜ石油に代わる最有力候補は天然ガスなのか?(後半)
なぜ原子力だけ先に限界に達したか?ところがである。よくよく見ると、両者の増え方には明らかな差異がある。実はここが重要だ。天然ガスの供給は毎年のように拡大し、1%から20%まで極めて順調に増えている。対して、原子力は98年に13・7%の最高比...
なぜ石油に代わる最有力候補は天然ガスなのか?(前半)
エネルギー資源は、価格が安く、供給が安定している限りは、別に自給にこだわる必要はない。しかし、その二つの要素が揺らげば、自給できない国にとってたちまちカントリーリスクと化す。石油はその二つの点でよもや欠格化しつつあるエネルギー資源だ(安定供...
次の文明は「メタン文明」である(前半)
これまで、自然エネルギー、原子力、天然ガス、石炭などを比較検討して、「石油に代わって次のエネルギーの主役が務まるのは天然ガス以外にありえない」という話をした。石油は人類が使用するエネルギーの中で最大比率を占めるだけでなく、消費の全部門にまた...
次の文明は「メタン文明」である(後半)
国産バイオ燃料で自動車需要を賄うことは難しいここで、バイオ燃料の将来像について見通しておきたい。この分野では海外が圧倒的に先行している。ブラジルからバイオ燃料を輸入する話もあるが、それでは中東から石油を輸入するよりはマシという程度でしかない...
天然ガスの可採埋蔵量は数百年、将来は一千年
メタン文明 第1のメリット来たる「メタン文明」において、もっとも重要な点からはっきりさせよう。果たして、天然ガスの埋蔵量はどれくらいあるのだろうか。参考にまでに、現在の日本の年間LNG輸入量が約7200万トンであり、ほぼ1千億㎥にあたること...
ガス文明化でエネルギー安保は大きく向上する
メタン文明 第2のメリット天然ガスの可採埋蔵量は数百年、将来は一千年…だとしても、安定供給までが保障されるわけではない。せっかく資源量が膨大でも、安定的に供給されねば意味がない。石油にまつわる経験を思い出せば、その重要性がよく理解できる。太...
メタン文明への移行で日本のエネルギー自給率が大幅にアップする
メタン文明 第3のメリット天然ガスの資源量は十分にあり、かつメタン文明へのシフトでエネルギー安保が著しく向上することは分かった。だが、海外に供給を依存している事実には代わりない。ロシアとの関係もあるが、そういった現実はどこかわれわれに不安を...
「日本経済敗れて足元に巨大ガス田あり」という寓話
南関東ガス田について触れた際、私は「資源量的には自給率向上のほんの一翼しか担えないが、それでも首都圏の真下にあるということで大いに使い道がある」という意味のことを述べ、積極的な開発に賛意を表した。かくいう私も、07年の渋谷区の温泉施設のガス...
ガス文明化で大幅な省エネが実現する
メタン文明 第4のメリット日本のエネルギーの需給現状や構造から推察するに、エネルギー源を石油から天然ガスに切り替え、かつその天然ガスの利用技術を洗練させることによって、最終的に原発150基分の年間発電量に匹敵する省エネを達成することができる...
天然ガスは石油以上の万能エネルギーである
メタン文明 第5のメリット石油に対する代替適格性を判断する基準の一つが「汎用性」だ。なぜなら、石油は現実に社会の全消費部門のエネルギーを担っているからである。こんなエネルギー源は他には存在しない。現時点で石油に取って代わるには、ある程度の汎...
ガス文明化でCO2排出を大幅に削減できる
メタン文明 第6のメリットいよいよメタン文明のもつ「6つのメリット」の最後である。突然だが、われわれの社会はなぜCO2を排出するのだろうか。意外とこの根本的な問いにサッと答えられる人が少ない。知識人でさえ「人や企業が活動すると自然と排出され...
メタン文明「6つのメリット」まとめ――なぜメタン文明シフトが日本を救うのか
これまでメタン文明のメリットについて長々と述べてきたが、ここらでそれを簡単にまとめてみたい。 第一:資源量が豊富であり、枯渇について当面は心配する必要がない天然ガスの可採埋蔵量は数百年、将来は一千年これはメタン文明の最大のアドバンテージの一...
原子力全般およびニュー原子力
「反原発派は具体的な対案を出せ」に応えてみる
以下、原発に対する是非論はひとまず横に置き、一種の思考実験として脱原発のテクニカルを模索してみた、という趣旨でご理解いただきたい。まず、反原発派の大半は「原発全基を止めても電気は足る」と主張しており、これが即時全停策の有力論拠となっているが...
脱原発派に突きつけられる究極の選択
今日、大きくは原発賛成・反対という論点ばかりがクローズアップされ、百万言が費やされている。だが、見過ごされがちなのが、脱原発派の内輪の論点だ。大きく分ければ急進派か漸進派(少しずつ進む)ということになろうが、後者でも10年から20年の時期を...
高レベル放射性廃棄物の根本的解決法としての地球外投棄
これから原発を維持するにしても、廃止していくにしても、どちらにせよ必要不可欠なのが高レベル放射性廃棄物の最終処分である。現在、地下300メートル以下に隔離することが法律で定められているが、場所の選定が進んでいない。たしかに、危険な物体が地下...
原子力が持続可能エネルギーになる日
核燃料サイクルは即刻中止すべきだ。これは相場でいえば「損切り」のようなものなので早ければ早いほどいい。インドがこの技術を欲しがっているので、一番いいのは数兆円くらいで施設を丸ごとインドに売り飛ばすことだと思う。理由は「必要ないから」である。...
原子力バージョン2.0ー「キャンドル炉」と「海中ウラン採取法」のコンビ
前回言及した「CANDLE炉」ですが、その考案者である東京工業大学原子炉工学研究所の関本博教授によると、Constant Axial Shape of Neutron Flux, Nuclide Densities and Power Sh...
エネルギー問題その他
CO2の資源化技術はまだ開発途上だが大いに期待したい
前々回と前回の記事で“アゴラ内世論”からの反応がありました。極めてまっとうなご指摘でしたので、可能な限り疑問等にお答えすると同時に、一般読者の皆さんも含めて改めて地球温暖化対策の最前線に関する理解を深める目的で、ここにシリーズ外記事を急きょ...