メタン文明 第2のメリット
天然ガスの可採埋蔵量は数百年、将来は一千年…だとしても、安定供給までが保障されるわけではない。せっかく資源量が膨大でも、安定的に供給されねば意味がない。
石油にまつわる経験を思い出せば、その重要性がよく理解できる。太平洋戦争へと追い込まれたアメリカによる石油禁輸制裁、70年代の二度にわたる石油ショック、そしてじわじわとした搾取を特徴とする今日のボディブローのような新石油危機…。供給の問題には必然的に国際政治情勢や地政学、日本の地勢的な宿命などが絡んでくる。
だが、幸い、石油文明時代のような悪夢は経験しなくてすみそうだ。現在、大油田が中東に偏在しているため、日本は石油の約9割を中東に依存している。昨今の中東情勢は改めて同地の地政学リスクを思い起こさせる。これに対して、従来型のガス田は世界中にまんべんなく散らばっている。シェールガス(頁岩層ガス)、タイトサンドガス(硬質砂岩層ガス)、コールベッドメタン(炭層ガス)等の非在来型ガスの所在も含めれば、天然ガスというのは、実は地球上のどこにでも存在するありふれた資源のようだ。
現在、日本が輸入する天然ガスの約75%が非中東産である。大雑把にいってインドネシア、マレーシア、オーストラリアからそれぞれ2割前後を買っている。残りをロシア、ブルネイ、カタールなどが占める。現在、カナダとオーストラリアから非在来型ガスを液化して運搬しようという事業がスタートしている。
将来的には、今やロシアを抜いて世界最大のガス産出国と化したアメリカも対日輸出に加わる可能性がある。このように、天然ガスの供給地は太平洋・東南アジア諸国に広く分布している。しかも、民主法治国家や比較的政情が安定した国が多い。
よって、一次エネルギー供給における天然ガスの比率を高めれば高めるほど、わが国のエネルギー安保も向上していくというのが真実だ。
以上がメタン文明のもつ「6つのメリット」のうちの二つ目であるが、まだまだ打つ手があるので、もう少し深く探っていこう。
LNGはなぜ原油価格に連動しているのか?
さて、安定といえば、供給だけでなく、価格も安定させたいところである。
もともと日本がLNGの輸入を始めた際は固定価格だったが、徐々に原油価格連動方式が定着していった。日本向けLNGは、90年代はずっと100万Btu(英国熱量単位)あたり3ドル台(保険料運賃込み価格)で推移していたが、今世紀に入ってから原油価格に合わせてジリジリと値上がりしていく。周知の通り、原油は08年に最高値をつけた後、リーマン・ショックでいったん暴落したが、その後はまた上昇を始め、今では100ドル前後を回復している。その結果、現時点でLNG価格は16ドル前後にまで高騰。対して、ガスの地産地消と自由な市場とが実現している北米では3ドルを切っている。
なぜ日本だけがこんなに高いガスを買わされているのか? 多くの人が疑問に感じているに違いない。まずLNG価格が石油に連動せねばならないという法則があるわけではない。単にそういう契約を結ばされているにすぎない。だが、報道等を見ても、両者が連動しているという事実には触れるものの、「なぜそんな奇妙な契約になっているのか? どうすれば是正することができるのか?」というレベルにまで踏み込んだものが見当たらない。普通、商品といえば自由に売り買いができるはずなのに、なぜLNGに限ってこのような硬直した長期契約が主流なのか、誰もちゃんと解説してくれないのだ。
もともとの経緯をいえば、LNGが「贅沢な燃料」であり、消費者(国)が限られていたという事情がある。一定の大口需要を確保した上でないと、売主側は投資リスクからプロジェクトそのものが立ち上げにくかった。簡単にいえば、日本のように「ガス田からパイプラインは引けないが、しかし国民がある程度豊かでガス需要が旺盛な国」があり、しかも二十年は買い続けるという保証があってはじめてLNGが商品として成り立ったのである(又はパイプラインが引けても、リスク分散の観点から全面依存したくない国やPNGだけでは不足する国であっても同様だ)。つまり、投資を回収できるお客を捕まえてからでないと開発に踏み切れないという意味で、LNGは一種の特注商品だったのである。それゆえ一種の共同プロジェクトであり、必然的に二者間の長期契約とならざるをえないのだ。
また、火力発電の燃料や都市ガスとして、かつては石油が使われていたという事情もある。ゆえに天然ガスは石油と競合できる商品だ。さらに、ガス田の開発(資材・動力費)、液化プラントの建設、膨大な電力を必要とするその稼動、海上輸送などのいずれのプロセスにおいても、燃料費(石油代)が反映される。これは石油が現代文明の基幹資源である以上やむをえない。このようなことから、売主側も「LNGは石油に近い価値があり、かつ石油代を経費として多く含むのだから、それに近い価格で売るのは当然であり、石油が値上がりした場合にLNGだけが長期固定で据え置かれるのはフェアではなく、準拠していなければならない」という論理を構築していったのである。
石油ショック以降は、原油価格も比較的安く安定しており、LNG市場そのものがない中では供給側の力も相対的に強く、日本側の電力・ガス会社も「まあ、その代わりに安定的に供給してくれるなら」ということで折れて、今日のLNG価格フォーミュラが次第に基準化していった。細かくいえば、案件ごとに契約内容も少しずつ異なり、またその他にもテイクオアペイとかイーブンデリバリーといった、一般商取引の常識からかけ離れた供給サイド寄りの契約が存在しているが、それについては言及だけに留めておく。
あくまで私の知る範囲では、LNGが原油価格に連動していった大まかな経緯は、以上のようなものである。
LNGと原油との徹底した切り離しを進めるべき
問題は今後、このような不利な契約をやめられるのか否かだ。
石井彰氏の『天然ガスが日本を救う』(日経BP社08年)では、明るい見通しが語られている。日本以外の顧客が増えてLNG市場が拡大し、原油とリンクしないスポット取引も増え、次第に普通商品化しつつあるというのだ。とくに大西洋圏の市場拡大に伴って自由市場度の高いビジネスへと変貌を遂げていく可能性が予言されている。原油市場なみの流動性を獲得するのは難しいが、長期的にはその傾向を示しているという。
このように、今でこそ安定大口買主に対する特注商品に近いが、顧客の不特定多数化が進行していることから、将来的にはその潜在需要を当て込んでプロジェクトを立ち上げることが可能になるかもしれない。それがまた顧客を増やすという正のスパイラルにより、オープンマーケット化するかもしれない。ただ、長期的には市場力だけで改善するとしても、国益上、前倒しすることに越したことはない。実際、自分の頭でよく考えてみれば、日本側には打つ手がたくさんあるのではないだろうか。素人ながら、私もアイデアを出してみたい。
たとえば、日本は依然として世界最大のLNG輸入国だ。現時点でざっと世界取引の3割を占めている。韓国がその半分。中台が5%ずつ程度。よって、東アジアだけで過半数を占めている。残るは、ほぼEU勢だ。日本は自身のプレゼンスを生かし、東アジアとEUの共通の懸念として、この問題を国際社会の議題として取り上げてはどうだろうか。
今まで日本がとくに高いガスを買わされてきた背景には、日本側の姿勢・交渉下手の問題もあったようだ。地域独占の電力・ガス会社にしてみれば、最終的に消費者にツケ回しできるので、コストカットに関する意識が低い。「相手の言い値で買っているのではないか」という批判も上がっている。これからは政府も民間任せにせずに、一国の問題、また外交問題として考えるべきだ。ただ、他のバイヤーを糾合して、破棄も含めた新たな価格フォーミュラの提案やオープンマーケット化の推進等にリーダーシップを発揮するには、政治外交能力がいる。民主党は無理せずにEUに委ねたほうがいいかもしれない。
また、原油リンクの合理性を徹底して潰していく作業も平行して進めるべきだ。CIF価格(保険料運賃込み)であれば、輸送費には重油代が反映される。契約条件を見直してそれをFOB(Free on Board:輸出港での甲板引渡し)へと替える。また、LNG船はどんどんガスエンジンに改装する。どうせLNG以外は運べない専用船だし、むしろ合理的なくらいだ。実は気化ガスと重油の混焼可能なエンジンの導入など、すでに行われ始めている。今後は一般の大型船舶にも天然ガス燃料が広がっていくかもしれない。
石井彰氏によると「洋上LNGプラント」というのも構想されている。これがあれば今までLNG化されてこなかった中小の海底ガス田を日本独自で開発可能だという。私はこれとは別個に「天然ガス液化船(LNG製造船)」も建造してはどうかと思う。本来の液化プラントは精製から始まるが、これはすでに市場品質のガスを液化するもので、天然ガス火力発電機を搭載し、その電力で液化する機能をもった特殊船だ。日本は今までLNGしか買えなかったが、この船があれば「気体もの」の直接買い付けが可能になる。北米などは自由市場なので、港に端末を設置させてもらえばいい。プレミアムを付けるだけで現地の販売業者は喜んで売ってくれる――転売なので彼らはノーリスクだ――だろうし、液化費用を足しても格安LNGとなる。それを横付けしたLNG運搬船に注入する。単純なアイデアだが、従来のLNG供給国はこのシステムを自分たちの優位性を覆しかねない大きな脅威と受け取るだろう。特殊船と端末は東アジア・EU共同で広めていけばいい。
こうして液化プラントの存在意義まで奪ってしまうと、原油リンクの正当性として最後に残るのは、「ガス田開発費に資材・動力費が入っている」という程度の理由だ。だが、これは開発費の一経費にすぎないし、「商品価格にその分だけ転嫁すればよく、わざわざ原油に準拠する理由にはならない」と反駁できる。もはや石油等価よりも石炭等価のほうが合理性があるといった論理のほうが優勢になるだろう。むろん、業界の長年の慣行を改めるには苦労がいるし、供給サイドも一致して抵抗するだろうが、買主側が連携して外堀を埋め、ロジックを積み重ねていくことで、最終的には打破できるのではないだろうか。
さらに、日本の場合、パイプラインを敷いて「気体もの」を引き入れることも、LNG供給国に対する甚大なバーゲニングパワーとなるだろう。
今こそ日ロ間にパイプラインの敷設を
供給・価格の両方に安定をもたらすのが、ロシアからのパイプラインガスだ。というと、近代以来の仮想敵国であるロシアへの戦略物資の依存は、エネ安保とはまるで逆ではないかという指摘がなされるに違いない。そう思う方こそ以下を読んでいただきたい。
現在、ロシアの可採埋蔵量は世界一の約48兆㎥だ。近年は北極海への進出も加速している。報道等によると、ロシア沿岸と接するバレンツ海とカラ海には20兆㎥ほどの資源があるという。カラ海のヤマル半島の開発には、三井と三菱も参加を検討している。しかも、これらはあくまで在来型ガスの資源である。永久凍土下にある資源など、ほとんど手つかずの非在来型ガスも含めれば、ロシアの天然ガス資源は途方もない量となる。最終的にロシア一国で100兆㎥に達しても何ら不思議ではない。
現在、サハリンからLNGの輸出が始まっているが、もともとの計画では海底パイプラインによって北海道と連結する予定だった。そのパイプラインが本州の太平洋側を通って首都圏まで届く予定だったのである。宗谷岬とサハリン南端間の距離はたった43キロだ。やろうと思えばすぐに両地域を連結できる。しかも、どうせならこの計画をもっとグレードアップして復活させたらよいと思う。新たなエネルギーシステムの恩恵は首都圏だけでなく、全国が等しく受けるべきである。幹線道路・鉄道の敷地や地下を援用すれば、比較的早いスピードで全国的なパイプライングリッドを構築できるのではないだろうか。
日本はたまたまパイプライン建設によって、サハリンだけでなく将来的には間宮海峡を越えて、この世界最大の天然ガス資源に直接アクセスできる位置にある。間宮海峡の向こう岸にある東シベリアには無尽蔵の資源が眠っている。仮に日本が安定した顧客になると分かれば、ロシアとしても更なるガス田やその他の資源開発に資金を投じることができよう。日本の資金や技術も投じて、日ロ共同プロジェクトを立ち上げるのもよい。
また、ロシアからの「格安ガス」は、近年、長期契約に際して何かと強気な東南アジア諸国や中東諸国、オーストラリアなどに対する価格交渉圧力にもなるだろう。「もっと高値でないと売ってやらない」と半ば恫喝するケースまで出てきているが、今度はこちらがロシア産ガスを盾にして「もっと安くしないと買ってやらないぞ」と言う番だ。
ロシアに飲まれない手も打っておく
そのロシアは今、東アジアへの天然ガスの販売攻勢を進めている。11年9月、ロシアが北朝鮮の累積債務110億ドルを帳消しにした意味を汲み取るべきだ。要はそうまでして韓国にパイプラインを通してガスを売りたい、ということだ。だから先ごろ三代目に就任したボンボンが南への脅しにそれを使うなどの火遊びをすると、ロシアはキツいお仕置きをするだろう。当然、世界有数のガス輸入国である日本に何としても売り込み、安定収入を確保したいのが彼らの本音だ。つまり、日ロは互いを必要としている。ロシアは現在、日本製品をわずかしか輸入していない。よって今後は、日本がロシアから毎年数兆円のガスやその他の資源を買い、ロシアが数兆円の日本製品を買えばいい。これで取引は成立だ。
むろん、いくらロシアのガスが豊富だからといって、決定的に依存しないことが重要である。生殺与奪の権限を握られないためにも、私は需要の三分の一くらいに留めておくのが適当だと思う。これで対日カード化を予防できる。というのも、この比率ならば万一、ロシアがバルブを閉めても、他の供給先による穴埋めが可能だからだ。むしろ困るのは収入が途絶えるロシアの方だろう。こうすれば彼らが対日カードを発動しようと思っても空振りに終わり、自分が損しておしまい、という情けない結果に終わる。もっとも、ウクライナがロシアから制裁を受けたのはそれなりの理由があるからで、日本がよほどの契約違反をしない限り、あまりこういった事態は心配する必要はない。
以降で詳しく述べるが、私は将来的にガスの供給源を「国産・ロシア産・その他産」で三分割するガス内エネルギーミックスを提案したい。こうすればリスクが分散され、かつロシアに対しては他の供給先を、他の供給先に対してはロシアをカードに使うことができる。供給と価格の両方の安定にとって磐石の体制といえよう。今までのように「ガスを売ってください」と下手にでるような真似は金輪際しなくてすむに違いない。
また、パイプラインを敷いてロシアから直接ガスを買うことは、エネルギー戦略であると同時に対中安全保障政策でもある。過疎化が進む極東ロシアを豊潤にし、ロシア人を呼び戻す、あるいは増やすことによって、中国への牽制力を維持する狙いもあるのだ。
現在、中東・北アフリカは「一寸先は闇」の状態だ。核兵器を開発するイランとイスラエルの間に有事があれば、輸入原油の大半が通るホルムズ海峡が封鎖されかねない。日本はそんなところから、タンカーで3週間もかけて、一次エネルギーの5割弱を仕入れている。しかも、中国がわが国のシーレーンである南シナ海のほぼ全域の領有を主張し始めた。石油のエネルギー安保状況は悪化の一途を辿っているのが現実だ。それに比べたら、ロシアから天然ガスを気体輸送するほうが、はるかに枕を高くして寝られると思うのは私だけだろうか。なにしろロシア軍がそれを守ってくれるのだから。
このように、メタン文明へと移行するだけでも、エネルギー安保は石油文明時代と比較にならないほど格段に向上するが、それに甘んぜず、こちらから積極的に手を打っていけば、状況はさらによくなるだろう。
日本とロシアは利害が一致する。つまり…
もっとも、中には「ロシアなんか放っておけば勝手に衰退するのに、むざむざ助ける馬鹿がどこにいるか」という意見もある。実は私もそう思わないでもない。実際、人口動態や犯罪・医療などの社会指標からすると、ロシアはどうやら勝手に滅びつつある。それは別に構わないのだが、問題は「ロシアの広大な領土が権力の空白地帯と化した場合、それを最終的に埋めるのは果たして誰か」ということだ。
中ロは国境問題をすでに片付けているが、どうせ中国は最初から条約など守るつもりはない。中国は現在、チベットや東トルキスタンに対して使っている「漢人浸透作戦」を極東ロシアに対しても実施しつつある。中国の怖さは実戦力ではなく、この種の孫子兵法を思わせる「戦わずして勝つ」深慮遠謀である。彼らはあからさまに“侵略”などしなくても、当該地域で多数派になれば住民投票で“民主的に”併合できると踏んでいる。彼らはインドがどうやってシッキム王国を併呑したか、実によく見ている。あと数十年もしたら、中国は「極東ロシアはもともと中国領土だった、われわれは侵略された被害者だ、その証拠に住民も中国に帰属したがっているではないか」と言い始めるだろう。
このように、気に入らないのは、ロシアが自然衰退して得するのは中国だという事実である。日本はオフショア・バランサー、つまり中ロのどちらの突出も歓迎できない立場だ。よって、ロシアが強大な時は中国に肩入れし、中国が強大な時はロシアに肩入れする…それだけの話である。国家には永遠の敵も味方もいない。ちょうど三国志を思い出せばいい。曹操の魏が強大になれば、蜀は呉と同盟を結んだ。今のわれわれは蜀の立場だ。
というと、必ず「アメリカとの関係は?」という声が上がる。どうせアメリカは己の都合で東アジアから勝手に出ていく。日米安保条約は遠からず失効し、アメリカは孤立主義に傾斜していく。いや、それどころではすまない可能性もある。アメリカでは今、市民や州と連邦政府との対立が激化している。これは内乱の兆候だ。将来的にハワイやカリフォルニアまでが独立して、アメリカ軍が一気に本土まで後退する可能性も想定しておくべきだ。そうなった時、中国は必ずタガが外れる。今以上にとんでもなく傲慢な国に豹変し、アセアンと日韓に事実上の属国になることを強いる可能性がある。尖閣諸島どころか、必ず沖縄にちょっかいを出す。己が最大勢力になった際の、弱小派に対する冷酷で暴力的な傾向が、彼らのメンタリティには昔からはっきりと見て取れる。民主化も特効薬にはならない。いや、日本やドイツで民主化の初期に「揺り戻し」があったように、劇薬になるかもしれない。これから江沢民の憎日教育世代が社会の主要ポストに就いていく。むしろ共産党が倒れた後のほうが恐ろしい。イカれた民族主義教育で幼少期を洗脳されてきた連中が作る「愛国大衆党政権」のほうがよほど危険だ。
むろん、「一つの想定」だ。だが、万一を考え、ロシアとの劇的な関係改善・相互依存を皮切りに、インドとの関係を深め、さらにインドネシアの大国化に力を貸すことによって、今の内から四カ国による対中ブロックを作っておくことは決して無駄ではない。これにより、中国は今以上に戦力の分散を強いられ、軍事的な冒険が困難になる。アメリカに対しては「アジアから出ていくのなら原潜を置いていけ(売れ)」と食い下がるべきだ。だが、何よりも心強いのは利害の一致する同盟国である。私には、ここ数十年のスパンで見た場合、ロシアこそがもっともその条件に該当するように思えてならない。
2012年02月16日「アゴラ」掲載
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