EV(電気自動車)特集 脱石油への道 Electric Vehicle special

エネルギー問題特集のはじめに

私の理想は人類社会が「持続可能文明」へと移行することです。

その目標を実現するためにはどうしたらよいか。やはり、まずは文明の大元であるエネルギーから持続可能を実現しなければなりません。換言すれば「エネルギーの永久自給国」になるということですね。そのためには、石油や天然ガス、石炭などの地下資源をひたすら食い潰す今の文明のあり方を根本から改めなければなりません。

しかし、近代以降、化石エネルギーの大量消費を続けてきた私たちにとって、それは容易なことではありません。とりわけ、20世紀以降、人類は石油という黒い液体に呪縛されてきました。2014年半ば以降、石油価格はいったん落ち着きを取り戻しましたが、再び上昇に転じない保証はありません。どうやら、中東戦争やサウジアラビアの混乱は、そう遠い将来のことではなさそうです。経済的・環境的、そしてエネルギー安保的にも、人類は可及的速やかに脱石油を成し遂げることを求められているのではないでしょうか。

また、それが脱化石エネルギーの実現と、ひいては持続可能文明へと移行する上でも、不可欠なプロセスだと確信します。実は、それが出発点でした。そして、その問いの答えが「自動車のEV化」だったわけです。それについて記したものが以下の記事です。

将来の国難を回避するため、今こそこの戦略を実施する時だと確信しています。

「EVの普及を急げ」シリーズ

「急速充電器の普及を急げ」シリーズ

EV全般


*メニューの「エネルギー関連」の下位「EV関連」からでも見られますが、以下、ブログカード方式でも貼り付けておきます。

「EVの普及を急げ」シリーズ

なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その1)――持続可能なエネルギーシステムへの道筋
(再掲時付記:長いので、最初に結論を掲げておきます。 自動車のEV化なくして脱石油も、脱化石エネルギーも、持続可能な新文明への移行もない。 以上です。では以下の行から始まります) 一連の記事では、最初に大きな戦略部分を描写してから、次にその...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その2)――脱石油なくして国の生き残りもなし
最近のギリシアやスペインの状況は、一国の経済が凋落すると、いかに普通の人々が悲惨な境遇に陥るかという見本ではないだろうか。ただ、私にはどうしても将来の日本の姿とダブって映る。なぜなら、少子高齢化や財政悪化と並んで、ある重大な危機が静かに進行...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その3)――脱石油のための運輸部門対策の提案
以下から、私の考える脱石油の方法を述べていきたい。「次の文明はメタン文明である」で述べたこととやや重複するが、ご了承いただきたい。 2010年における石油の国内需要は、以下の表のような状況である。 上の表では、電力部門の石油使用量は約1千万...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その4)――2020年、日本の新車の大半が“実質電気自動車”になる
前回述べたように、運輸部門の中核対策は「自動車のEV化」である。 持続可能な新文明へと至るためには「脱化石エネルギー」が不可欠である。そして脱化石エネルギーのためには「脱石油」が不可欠であり、脱石油のためには「自動車のEV化」がもっとも効果...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その5)――石油産業のバイオ産業への転換を支援しよう
自動車のEV化はすでに規定路線であり、政策面で後押しすることによってさらにスピードアップせよ、というのが前回の主張だった。 だが、脱石油にあたり、約1億klの燃料を消費する「運輸部門」と同じくらい重要なのが、約7200万klを消費する「産業...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その6)――バイオ燃料車よりEVの理由
2012年3月10日の「池上彰スペシャル」では、東日本大震災の約1年後ということで、エネルギー問題を特集していた。そこで大きく紹介されていたのが、バイオ燃料産業の成功モデルとされるブラジルの事例だ。 同国は70年代の石油ショックを機に、代替...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その7)――第二次自動車界大戦の行方は?
(再掲時付記:長いので、最初に結論を持ってきます。 脱石油のキー対策となるのが「自動車の脱石油化」。しかし、バイオ燃料車・燃料電池車・天然ガス車は代替適格性に欠けている。 以上。以下から本文です。) 今から一世紀ほど昔、ディファクト・スタン...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その8)――EVの欠点は十年以内にすべて解消する
これまで現行車の代替としてバイオ燃料車・燃料電池車・天然ガス車がふさわしくないと論じてきたが、だからといってEVの将来性までが約束されるわけではない。現に、EVを購入したいというユーザーは少ない。その理由は、「価格が高い」「走行距離が短い」...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その9)――急速充電器の迅速な整備がEV普及の鍵を握る
今後十年でバッテリーの性能とコストは大きく改善し、とりわけ「走行距離の短さ」と「価格の高さ」というEVの欠陥はほとんど解消されること。 結局、EVの普及の妨げとなるのは、「充電器の未整備」であり、それさえ進めば、あとは市場まかせでも勝手に普...
なぜ日本はEVの普及を急ぐべきなのか(その10)――太陽と風で自動車が走る日(太陽編)
石油自動車を走らせるのに必要な膨大なインフラ 日本は原油の大半を中東から輸入している。砂漠で掘削された原油は、パイプラインで港まで輸送され、そこからスーパータンカーで3週間かけて日本へと運ばれる。国内の主要な港には石油精製施設があり、そこで...

「急速充電器の普及を急げ」シリーズ

今後ますます高まっていく急速充電器のニーズ
経済産業省が「世界に先駆けてEVを本格普及させる」という目標を掲げました。そのために、充電インフラの整備促進に約1千億円もの予算を投じるそうです。日経新聞の1月18日付の記事によると、急速充電器3万5700基、普通充電器7万4千基の導入を目...
ピンチをチャンスに変えれば次の時代は日本がリードできるかもしれない
2012年度の貿易赤字は6・9兆円だという。 日本エネルギー経済研究所によると、うち火力燃料費の増額分が3・2兆円。今年もほぼ同程度の燃料費に落ち着くが、仮に26基の原発を順次再稼動させれば1・1兆円分の燃料費を削減できるという。逆に言えば...
急速充電器の速やかな整備が「ドミノの最初のひと押し」になる
この記事は、前回の「ピンチをチャンスに変えれば次の時代は日本がリードできるかもしれない」の、実質的な続編なので、まずはそちらのほうから目を通していただければ助かります。 EVの本格普及を妨げる最大の要因とは? 昨年の投稿で私はこう述べた。 ...
本当に求められる充電インフラとは?――政府は急速充電器の整備費を追加せよ
公共事業には正しいものと、間違ったものがある。 これから伸びる「芽」の部分に投資する場合は、経済効果が高い。EVの充電インフラを整備することは、これに当たる。言ったように、EVの車体のほうは5年後くらいには普及条件を満たす。よって、その5年...

EV全般

電気自動車は本当に普及しないのだろうか
大西宏先生の「いくら夢や理想を語っても、充電スタンドをつくっても電気自動車は普及しない」を拝読した。 暗闇の中に存在する彫像の姿を正確に知るためには様々な角度から光を当てねばならないように、真実もまた視点の異なる人々が論じ合うことにより浮か...
「電気自動車に火力由来の電力を使っていたら意味はない」という都市伝説(前半)
これはEV懐疑派の有力論拠の一つである。果たして、このような考えは正しいのであろうか。それともただの思い込みだろうか。 これを当記事のテーマとする。 これは換言すれば、以下の両者の比較である。 A:「原油→精製→輸送→自動車」 B:「化石燃...
「電気自動車に火力由来の電力を使っていたら意味はない」という都市伝説(後半)
メリットその3:これからエネルギーの利用効率が向上していく その1のエネ安保のメリットのところで、「自動車のエネルギー源を石油から天然ガスに移すというなら、何も自動車をEV化しなくても、ガス車化すればいいではないか」と訝る人もいよう。宅配便...
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