地底人の出現と人類の変革を予言する法華経

予言・予知
映画『未知との遭遇』のワンシーン




NSA・CIAの元職員で現在はロシアに亡命中のエドワード・スノーデンは数年前、次のような驚くべき情報を暴露した。

「DARPA(ダーパ:国防高等研究計画局)の大半の人たちは地球のマントルに人類よりもはるかに知的な生命体が存在していると確信している」



スノーデンの秘密情報とシャンバラ伝説

DARPAといえば、今ではすっかり生活に欠かせないインターネットの原型となったARPANETや、GPS(全地球測位システム)を開発した組織である。ペンタゴンの部局だが、大統領の直轄でもある。間違いなく、最高の知性が集まる組織の一つだ。

その職員たちが、様々な機密情報を根拠に、地底に住む高等種族と、彼らが出入りに利用する高度な乗り物の存在を確信しているという。

この種族と直接の関係があるかは分からないが、地底にある文明としては、昔から「アガルティ」また「アガルタ」の存在が伝説として語り継がれてきた。

そして、その地底王国の首都のこと「シャンバラ」という。

時は第一次大戦と第二次大戦の間である。この頃、フェルディナンド・オッセンドウスキーやコンスタンチン・ニコライ・レーリヒといった探検家たちが相次いでチベットやモンゴル方面を訪れた。そして、いずれもラマ僧経由でシャンバラ伝説を知る。

彼らが著作で紹介すると、それをヒントにしたイギリス人作家ヒルトンが作中に「シャングリラ」を登場させ、そこから理想郷とのイメージが拡散していった。

そのイメージはあのナチスをも動かした。ヒムラーはアーリア人神話に基づく「ドイツ先祖遺産」(ドイチェス・アーネンエルベ:Deutsches Ahnenerbe)なるアカデミーを発足させる。人種・言語・神話・自然科学など多岐に渡る研究を実施する傍ら、アーリア人の祖先とシャンバラ伝説を結びつけるべく、チベットに探検隊まで派遣した。

最近では「アルザル人」という言われ方もする。そして、近未来にわれわれ人類の前に姿を現すのではないかということが、近年、盛んに言われるようになった。

日本仏教の中心に据えられた「法華経」にはオカルト要素が満載だった

さて、こういった伝説の元になったのがラマ僧の話である点が興味深い。

実は日本でも仏教経由で「UFO・地底文明ネタ」を思わせる話が伝わっている。

しかも、あの「法華経」の中に。

法華経とは、聖徳太子の時代に伝来したと言われる大乗仏教の経典で、サンスクリットでは『サッダルマ・プンダリーカ・スートラ』(正しい教えである白い蓮の花の経典)という。今から2千年くらい前に成立したという説が有力である。

かつて亀茲国と呼ばれていたクチャのキジル千仏洞に立つクマラジーヴァ像。彼の偉業が次なる玄奘の大冒険へと繋がったという。

西域の亀茲国から長安に来た鳩摩羅什(くまらじゅう、クマラジーヴァ)訳の『妙法蓮華経』8巻28品がもっとも親しまれ、一般に日本でいう法華経は彼の訳出した版だ。

この「妙法蓮華経」を縮めて「法華経」

私たちにとって馴染み深いのが「なむ(ん)みょうほうれんげきょう」という言葉だ。サンスクリット語の「ナム」は「帰依します」の意味。「南無」はその音写。

つまり、これは「私は法華経の教えに帰依します」という意味・表明である。

聖徳太子、最澄、日蓮、道元なども、みなこの鳩摩羅什訳「法華経」を学んだ。そして、日本仏教の特徴だが、なぜかこの「法華経」が中心的経典に据えられた。

他国では見られない日本独特の現象だが、その理由として「如来」(にょらい)になる道が万人に開かれていると説いている点が大きいと言う研究者が多い。

如来というのは「ブッダ」のことであり、「悟りを開いて真理に達した者」である。つまり、どんな人であっても、最後は必ず救済され、成仏できるという教えである。悪人・女性も含むところが画期的だ。この平等なところが「日本で大人気」の理由のようだ。

法華経自体はむろん、あの開祖のブッダさん(ガウタマ・シッダールタ)が説いたとされる。漢語では「釈迦牟尼如来」(しゃかむににょらい)と記されている。

しかも、経の前半が最晩年のブッダ、後半が「本仏」に拠るという。「本仏」は「神」の概念に近い。その永遠の存在が地上に人間の姿として現れたのがブッダというわけだ。

また、法華経を読む上で、「如来」のほかに「菩薩」の意味も知っておく必要がある。仏の智・悟りを求める人々又修行者のこと。仏になろうという候補生的存在だ。だから、格でいえば「如来」のほうが上。法華経ではこの「何々菩薩」がよく登場する。

経の内容は長大なため、とても単純には言い表せない。物語と教えがセットになっている部分がほとんどで、多種多様なエピソードに満ちている。

時にはファンタスティックでスピリチュアル、そしてオカルト要素満載である。

そうすると、オカルトを指して批判する人をよく見かけるが、「それを言うなら日本の仏教はどうなるのか?」という話になる。

言ったように、法華経は日本仏教の中核。その法華経には、超能力、過去世・未来世といった輪廻転生の概念、予言、しかもすぐ後述するが“UFO”までが、これでもかと登場する。『ムー』も真っ青なほど、オカルト要素がてんこ盛りなのである。

全品現代語訳 法華経 (角川ソフィア文庫)

法華経〈上〉 (岩波文庫)

サンスクリット原典現代語訳 法華経(上)

まるで『未知との遭遇』のワンシーンを思わせる法華経のハイライト場面

さて、その摩訶不思議な記述を紹介しよう。

第10「法師品」(ほっしほん)において、釈迦牟尼如来(ブッダ)は、特定の菩薩のみならず、様々な階層の人々(鬼霊も含め)に向かって、繰り返し「未来世において必ずや如来となる」という予言をするようになる。

もう、誰に対しても「完全な悟りに到達できるぞ」と予言しているような感じである。

そして、ブッダ入滅後の末法において誰が経典を広めていくのかというテーマになっていく。それが「法師」、端的には「教えを説く人」である。どんな迫害にあっても教えを説き、守りぬけ、という励ましが行われる。

要するに「法華経に帰依すれば誰でも仏になれる」という意味で説いているのだが、そのすぐ後には、見ようによってはSFまがいの場面へと展開していくのだ。

第11「見宝塔品」(けんほうとうほん)に入ると、突然、巨大な色とりどりの美しい宝塔が地中から出現し、空中に静止する。ただし、高さと幅の比が2:1なので、巨大だが短躯の「塔」である。無数の宝石の環があり、鈴が吊るされている。そして、その宝塔から「素晴らしい、その通りだ」とブッダと法華経を褒め称える大音声がする。

その声の主が「多宝如来」(プラブータ・ラトナ=「多くの宝玉」の意)。

漢語文では、多宝如来は、大昔からある東方へ千万億の59乗の世界を超えたところにある法浄国の如来。ただ、原典ではそれが東方ではなく「下方」と記されており、「ラトナ・ヴィシュッダ」(宝玉によって清浄な国土)と呼ばれる。

その「多宝如来」さんは、太古の過去世において法華経の経説を聴くことで完全なる悟りに達したであり、それゆえに大宝塔を建立した存在である。彼はブッダと法華経の正しさを証言するために、この巨大宝塔とともにやって来たのだった。

余談だが、家康や綱吉の墓はこの宝塔を表しているという。

この多宝如来と釈迦牟尼如来(ブッダ)にはある約束事があった。それは彼が出現する時、ブッダが全宇宙に派遣している法華経伝道の分身を呼び戻すことである。

ブッダの額から光が放たれ、ガンジス河の砂の数にも等しい全宇宙の無数の仏国土とそこで教えを説くあまたの如来たちの姿が映し出された。

娑婆世界が一挙に浄化されるとともに、彼らがこの場に参集し始めた。だが、娑婆世界だけでは足りないので、周辺八方の二百万億の世界も浄化された。

こうして無数の如来たちが各自の席に坐ると、ブッダは空中に立ち、巨大宝塔の扉を開いた。中には身体のやや衰えた「多宝如来」(プラブータ・ラトナ)が坐っていた

彼はブッダを褒め称え、席を半分ゆずった。ブッダは坐った。

こうして、空中に浮かぶ巨大宝塔の真ん中に二人が並んで坐った。周囲にいた者たちが同じように空中に上りたいと願うと、ブッダは神通力でその願いを叶えた。

ブッダは再び説法を始めた。その中で、この多宝如来はとっくの昔に入滅しているが、教えを説くために宝塔に入って全宇宙を遍歴しているのだと称えた。そして、自分が入滅した後の悪世において、経を守り広めることがいかに難事であるかを説く。だが、それがいかに素晴らしい功徳であるかも説き、菩薩たちを励まし、布教を勧める。

地涌の菩薩(じゆのぼさつ)とは何者なのか?

その後、ブッダ入滅後の末法の悪世と人心荒廃ぶりが語られ、まさに教えが滅びようとする時代にあって、法華経の求法者を迫害するものたちと、彼らが守るべき四つの戒め等が語られる。むろん、菩薩たちは大難を覚悟しての布教を堅く誓う。

さて、ここから地底人や地底文明を髣髴とさせる記述が登場する。

第15「従地湧出品」(じゅうじゆじゅつほん)だ。

突然、大地のいたるところ亀裂が走った。そこから無数の、それこそ幾千万億という求法者の大集団が出現し、次々と空中に留まった。

彼らの身体はみな金色で、偉人の三十二の特徴を備えていた。そして、釈迦牟尼如来(ブッダ)と多宝如来を礼拝し、ブッダの分身たる如来たちにも礼拝した。

しかも、驚くべきことに、一人ひとりが偉大な聖仙で、大神通力と前世の記憶を持ち、多数の随伴者を連れ、見た目も美しい。これが「地涌の菩薩」である。

先に参集していた如来たちが、「こんな様子は未だかつて見たことがない。彼らは何者で、どこからの来たのか?」と、不思議に思ったのも無理はない。

ブッダはみんなの疑問に次のように応える。

「此諸菩薩。皆於是。娑婆世界之下。此界虚空中住。」(漢文)

「これらの求法者たちはこの世界の大地の下にある中空の世界の境域に住んでいる」(サンスクリット原典現代語訳)

大地から出現した無数の菩薩たちは「地下の虚空界」の住人だった。

彼らもまた、かつてブッダが仏の教えに到達できるように教化した者たちだ。彼らは神々と人間の近くには寄らず、隠棲し、仏の知恵に没頭している。

つまり、菩薩といっても限りなく如来に近い存在。そして、彼らこそブッダ入滅後の末法において法華経を真に託された者たちだった、というオチである。

ちなみに、どう見ても大昔に教化された彼らの存在を見て、ブッダがたかが数十年の間にそれを成し遂げたことを奇異に感じて、問いかける者もいた。そこでブッダは、自分が悟りを開いたのは、本当は遠い昔であり、以来ずっと教化に励んできたことを語る。

つまり、本当は不死であり、入滅という概念も方便に過ぎなかったということ。「仏に会うのは得がたい」と思わせる意味もある。誤解を恐れずにいえば、ブッダは個人でもあるが、神と合一しているので、神でもあるという意味だと思われる。

近未来に人類の一大変革がやって来る?

さて、以上に対して、当然ながら長年の仏教的な解釈や学説がある。

ただ、単純に言ってしまえば、悟りを得たい衆生に対して、ブッダが「未来世において君たちは必ずや如来になれるんだよ」という予言を行った後、巨大な宝塔が出現して空中に静止した、という話である。そして、次に地底から超人間的な存在が大量に出現して、ブッダが末法の悪世における真理の担いを彼らに託した、という話である。

むしろ、現代人だから、この様子を率直に解釈できるのではないだろうか。

つまり、これは大勢の人々が一挙にブッダやキリストのレベルに到達するという、近未来における集団的な変革の予言のようにも受け取れる。

ちなみに、この見方は、他の予言や体外離脱情報とも一致する。

そもそもこのビジョン自体、ブッダの時代のものというより、未来の光景を描写したもののように思える。時空を超越できる者が書き留めた場面というわけだ。

ブッダは、基本的に輪廻転生の最終段階の肉体において如来に達すると述べている。その後はこの世に生まれ出てくることはないが、本人が望めばそれは可能である。

そして、人類よりはるかに進化したある種のエイリアンも、その精神レベルに達していると思われる。巨大な宝塔は宇宙の彼方から訪れた「巨大UFO」であり、「多宝如来」さんはその司令官である。彼も「如来」だからブッダと同じレベルに到達した人だ。

そして、地球人(地上人)の集団的な変革を手助けするのが「地底人」である。ブッダが彼らに真理を託すということは、人類の指導係と認めたということだろう。

すると、われわれが彼らの姿を目撃する日が近い将来やって来るのかもしれない。

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