新世界秩序の“狼煙”としての9.11同時多発テロ事件

戦争・紛争・革命・崩壊




さて、冷戦終結後、「影の政府」が次の二つの目標を掲げたことは述べた。

1:すべての独裁国家の打倒

2:米一極支配体制の構築

すべては世界の統一支配という究極の目的のためである。

前回は1について述べた。

New World Orderへの道――すべての独裁国家を打倒せよ
さて、後半が長くなってしまったので、さらに二つに分ける。 「影の政府」はソ連を崩壊させるだけでなく、調子に乗っている日本にキツイお灸を据える計画をも同時に進めていた。それは莫大な日本人の資産を合法的に奪い、欧米特権層へと移転させるもので、ア...

これから2について述べていく。



冷戦終結後、米国を頂点とするピラミッド社会を目指した「影の政府」

1917年のロシア革命が、ロシア帝国打倒のみならず、世界を「両極対立構造」へと再編するための一大謀略でもあった真実は、前に述べた。

鏡で写したように正反対の陣営を作り、互いに対立させ、全人類に「二者択一」を強いる・・・これにより人類は次第に「二大勢力」へと収斂されていくわけだ。

しかし、このダイアレクティカル・ルールも時限措置にすぎない。いずれは決着をつけ、一つの勢力へと昇華する。ちょうど関が原の戦いで勝利した徳川体制ように。

「影の政府」にとって計算違いだったのは、当初手下だったスターリンが反逆して、当の一極のコントロールが不能になったことだ。だから、「やらせ対立」の予定が、デスマッチ寸前の「本物の対立」と化してしまった。それが冷戦の本質だったのである。

ただ、不本意とはいえ、その間、文明国家をおおむね二大勢力に分けることには成功した。そして、アメリカと資本主義圏は最終的にソ連と共産圏を崩壊させた。

つまり、結果として見てみれば「成功」ではないか。ソ連の統制の喪失という歴史的失敗も、アメリカが勝ったことで結局は報われたはずだ・・そういう見方もできよう。

その上、アメリカは生意気な日本を経済敗戦(バブル崩壊)させ、湾岸戦争の勝利でベトナム・シンドロームを払拭した。「影の政府」が「結果成功」に自信を深めたとしても不思議はない。だから彼らは「ポスト冷戦時代の大戦略」へと着手した。

それこそが国際社会を「アメリカを頂点とするピラミッド型」へと再編することだ。

すなわち「米一極支配体制」の構築である。そして、その一極体制を徐々に「地球国家」へとスライドさせていく・・そういう一大計画である。

どうも私の想像では、「影の政府」は四半世紀後くらいにNWOへと移行することを想定していたのではないかと思う。つまり、本来なら2015年くらいにはNWOが実現し、地球国家の基礎となる体制が出来上がっていたということだ。

彼らがそのように楽観的になったのも無理はない。なにしろ、1990年代を通してアメリカはさらにスーパーパワーと化した。1993年に始まったクリントン政権時代、アメリカ経済は一種のバブルに沸き、史上空前とも言われる繁栄を迎えた。

対して、ロシアは西側が背後にいる新興財閥によって次々と国富を押さえられ、1997年にはついにデフォルトして、“IMF金融進駐軍”に占領されるまでに落ちぶれた。

むろん、経済的ライバルだった日本もバブル崩壊以降、凋落の一途をたどった。

「影の政府」がアメリカ一極支配体制の実現に自信を深めたのも無理はない。

余談だが、ビル・クリントンはロックフェラー5兄弟の一人のネルソンそっくりである。息子である可能性も考えられる。そして、そのネルソン議員のところで働いていたのがヒラリーだった。しかも、まだビルとヒラリーが出会う前の話である・・。

【過去記事:クリントン夫妻とロックフェラー(前編)】

「狼煙」としての9・11テロ事件とツインタワーの崩壊

さて、父ブッシュが「新世界秩序を目指す」とした「9・11演説」のきっかり21年後、その子ブッシュの時代にNYで「9・11同時多発テロ」が起こった。

これは「新世界秩序」を構築する上で欠かせないイベントだった。

世界支配層はこの「9・11」事件をかなり以前からこっそりと予告していた。

これらの証拠を“陰謀論”と評して否定することが己の知的強者の証明になると信じている人が少なくない。そういえば近年、NHKの「幻解! 超常ファイル」が「陰謀論の闇に迫る」という番組を放映した。内容は「9・11テロ」におけるWTCの崩壊はあらかじめ仕組まれたものだとする陰謀論を否定するものだ。

NHKが持ち出したのがアメリカ国立標準技術研究所(以下NIST)の検証だ。

真相究明には200人以上の専門家が参加し、千人以上からの聞き取りを元に、1万ページにおよぶ「世界貿易センタービル崩壊の最終報告書」が作成された。

NHKの番組はこの概要を伝える形で、要はWTCが倒壊した原因は航空機の衝突とその後の火災によるものであり、事前に仕掛けられた爆弾によって倒壊したとする陰謀説を否定した。私からすると、これはウォーレン委員会の報告書を想起させる。

NISTの報告書はネットで公表されており、誰でも閲覧することができる。

World Trade Center Disaster Study Reports and Other Publications

NISTの調査については、鹿島建設が別個に類似の解析をして、火災で倒壊したシミュレーションを裏付けている。対して、数年前、NISTに反対するBrigham Young大学のスティーブ・ジョンズらのチームは制御解体であったと結論付けている。

ちなみに、私は後者の「解体説」に立っている。私はこれまで同事件に対して自分の立場を表明したことはないが、あえて上のNHK番組の放映後を選んで表明する。

おそらく、事前にビルの各階支柱に鋼材を切断する爆弾が仕掛けられていたのだろう。オフィスフロアには必ず「天井裏」があり、そこに配線・ダクト・給水管などが設置されている。“工事業者”ならば夜間や休日に各フロアの天井裏に入って爆弾を仕掛けて回ることも可能である。そして、衝突テロ後、その箇所からまず上が崩壊するようにプログラムを組んで、制御解体したのだろう・・と、私はそのように推測している。

この辺に関しては、事実、怪しい業者が出入りしていたという証言が幾つもある。

ぜひとも「9・11陰謀説」を専門に解説しているサイトを覗いてほしい。

「激しい火災が起こった」という前提に寄りかかるNISTのレポート

ところで、WTCが航空機の衝突とその後の火災によって自然に倒壊したとするNISTの結論は、実は二つの前提に寄りかかっている。一つは「航空機の衝突によって内部のコア柱が多数損傷した」というもの。もう一つは「衝突から崩壊までの1時間40分にわたってジェット燃料が激しく燃え続けた」というもの。

ビルの根幹を成すコア柱の損傷については、物理の問題であるから、シミュレーションによってある程度正確に算出可能だろう。WTCの建築家は、過去の航空機衝突事件の教訓から、ジャンボ機の衝突を想定していて、耐えられるように設計していた。

だから、キモとなるのが後者の「火災」である。火災により「梁」に相当する鉄骨の強度が弱まり、結果的に上部フロアを支えきれなくなったという理屈である。

だが、ここの前提となるファクト自体が曖昧なのだ。というのも、ビル自体が崩壊してしまったので、事後の現場検証が存在しないからである。

だから、本当は「衝突フロアでこのような火災が起こっていただろう又いたはずだ」という「推測」でしかない。そして推測で言うなら、まったく別の見方も可能だ。

私は報告書とは逆に、WTCが崩壊へと至る映像を見る限り、航空機衝突時の大爆発と初期の火災で、ジェット燃料の大半は消失してしまったと推測する。

実際、以後は煙がもうもうと立ち上るばかりで、(この辺は見る人の主観の問題だろうが)肝心の火災の炎はそれほど大きいものには見えない。

なにしろ、衝突から何十分と経っているのに、衝突箇所又付近(当然火災がもっとも激しい現場)に生存者がチラホラと確認できるくらいである。

高層ビルにはもともと燃えにくい素材が使われている。

また、これは指摘がまだないようだが、衝突した航空機はビルの給排水管やスプリンクラー管を突き破っているはずだ。こんな場合、誰かがバルブを閉めない限り、水がタダ漏れ状態になる。もっとも、あの状況でそれをした管理者がいたとも思えないが・・。

だから、火災に対して部分的には水が注がれていた格好のはず。しかも、高層ビルの高架水槽といえば、巨大タンクであり、簡単には尽きない。衝突後にWTCからもうもうと煙が立ち上っているが、かなりの“水蒸気”も含んでいたのではないか。

いずれにしても、「ジェット燃料が激しく燃え続けたため、内部が異常な高温に達した」というNISTの前提は疑わしい。かなり誇張しているのではないだろうか。

他方で、鋼鉄が溶けて流れ出しているような“異様な火災”が、映像からはっきりと確認されているのに、それに関する合理的な説明はないのだろうか。

上の写真を見ても分かるように、外部からは大きな火災の炎は見えないのに、なぜか鋼鉄の溶解現象が起きており、火花を下に撒き散らしている。

「科学、科学!」と言う人は、これが何なのか科学的に説明してほしい。

NISTの手腕――いかにして第7ビルの倒壊を「純火災」に原因せしめるか?

繰り返すが、NISTの主張は、「鋼材をたわめるほどの激しい火災」という「前提」に寄りかかっている。その前提が崩壊すれば、すべてが崩壊する主張となっている。

実は、同じように「激しい火災」に寄りかかっているのが第7ビルの崩壊の理屈だ。

最大テナントがソロモン・ブラザーズだったため、第7ビルは「ソロモン・ブラザーズビル」とも言われていたらしい。上の地図を見ての通り、倒壊したWTC1とはビル一つ挟んだ向こう側にある。両者は100m以上も離れている。

このビルがガラガラときれいに倒壊したのはご承知の通り。爆発の破片などが飛んできて、窓や外壁などが少し壊れたという程度の損傷だったのだが、このビルもまた「激しい火災」が起こり、それが原因で倒壊したというのがNISTの主張である。

「世界貿易センタービル7の崩壊に関する最終報告書、連邦ビルと世界貿易センター災害(NIST NCSTAR 1A)の火災安全調査」

(出典:https://ws680.nist.gov/publication/get_pdf.cfm?pub_id=861610

第7ビルに関しては、NISTもかなり悪戦苦闘したようだ。

なにしろ「航空機の衝突による支柱の損傷」といった外部的な原因はない。つまり、このビルは「純火災」でガラガラと倒壊したという理屈でなければならない。

しかも、その火災ですら、ビル全体が炎に包まれる規模ではなく、内部に限定的なものだ。ところが、彼らは、外部からの不鮮明なビル内火災の映像と、ビルの防災機器の情報を元に、見事なまでに、倒壊へと至るシミュレーションを作成してのけた。

おかげで、私は彼らの“調査”の基本的な手口に気づいた。

ツインタワーも、第7ビルも、完全に倒壊してしまったため、肝心の現場検証ができない。倒壊後の残骸の山の中で、どの破片がどのフロアのものかなど、まったく分からない。つまり、ビルの内部で本当は何が起こっていたのか、誰にも分からない。

そのもっとも肝心な点が曖昧なのをいいことに、NISTは人々の盲点を突いている。

おそらく、彼らはファクトからシミュレーションしていくのではなく、結果から逆算していって「こういう現象が起きていた」とふうに導き出しているのだ。

構造計算のプロならば、あるビルが火災で倒壊するには、どういった状況や損傷が必要かを導き出すことができる。つまり、本当は、ビルが倒壊するには、こういう現象が起きていなければ辻褄が合わないということを探しているのだ。その結果として「激しい火災」が起きていたはずだと考え、それを「前提」に持って来ているのである。

むろん、報告書に記述する時点で、因果関係を逆さまにした調査を、また逆さまにする。すると、いかにも「こういうファクトがあったから、それをシミュレーションしたら、ビルが倒壊するという結果になった」という論理になる。これを科学的な実験で補強してみせれば、ますます科学的に証明されたというふうに感じられる。

しかし、上の第7ビル倒壊の“シミュレーション”のように、実際には「こういうふうに壊れるためには、こういう規模の火災があったはずだ」ということを言っているにすぎない。そうやって逆算で導き出した前提を「ファクト」であるかのように先に持ってくるから、何か科学的な証明であるかのように錯覚してしまうのである。

そして、人々は、政府の公式機関・専門家・科学的調査などの権威に弱い。

おそらく、今回の件が陰謀であったなら、多数の科学者が集まって作成した調査報告の発表をもっておおむね決着するというところまでが、計画の範疇であったと思われる。

だが、幸いなことに、WTCは事件から倒壊に至るまでずっと撮影されていた。

それを見る限り、倒壊に至らなかった他のビル火災と比べても、特筆するような酷い火災ではなかったことは誰の目にも明らかである。

さて、このシリーズは別に「WTCの倒壊が人為的なものか否か」を述べる趣旨ではないので、次回から元の筋に戻す。繰り返すが、「9・11」事件に関しては、多くの先達による蓄積があり、ぜひともそれらの勇気ある言説を参考にしていただきたい。

(つづく)

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