みなさん、こんにちは。
どうも、世間で言われていることは真実と全然違うのではないか、という気がしてきた。
すでに、トランプの米大統領当選は反グローバリズム派の勝利だ、これからは彼が先頭に立ってグローバリストに反抗していくに違いない・・・という希望的観測に関する疑問については、彼の当選以降、「フリー座」において散々表明してきた。
あまりに言い過ぎて、陰謀論にまで踏み込んでしまった。オカルト・陰謀論系はここ「新世界」の領域と、別けていたはずなのに・・・。
実は、その他にも違和感がある。それは「プーチンがドナルド・トランプの米大統領当選をとても喜んだ」という類いの観測だ。
これについて追求していると、ちょっと怖い真相が見えてきたので報告する。
「ロシアにとって都合のいい大統領だから」という支持理由
いや、事実、喜んだでしょう。
トランプは、選挙期間中にプーチンを持ち上げるだけでなく、米ロ関係を改善する意向を示した。また、シリアの内戦問題については、「ロシアとイランに預けてしまえ」と発言し、アメリカとして撤退する考えを示している。当選後の11月14日には、トランプとプーチンが電話会談し、これらについて大筋で合意したという。
対して、ヒラリーはことあるごとにプーチンとロシアを非難し、同国のアサド政権支援とシリアへの軍事介入問題で鋭く対立していた。
だから、ロシアにしてみれば、選挙結果を歓迎したのは当然の話だ。
トランプは「世界の警察はもうやらない」と発言している。本当は、アメリカは「自分を保安官と思っている強盗」なのだが、それはともかく、本人は「なんでアメリカばっかりが世界を守る義務を果たさねばならんのだ!?」と、ご不満らしい。
換言すれば、今後は国際社会の問題についてあまり首を突っ込まないか、諸外国と同レベルの責務に留めるということである。つまり、アメリカはイラン問題とIS問題を除いて、外交面では積極的な攻勢に出てこなくなる。これはロシアにとって非常に都合がいい。それどころか、ISの殲滅では米ロの協調路線の芽さえ出てきた。
ただし、国家方針と大統領職務の継続性から、クリミア占領問題を理由とする対ロ経済制裁は容易には解除できない。機を改めるが、クリミアの問題にはグローバル・ユダヤも関わっている。これが米ロ関係悪化の元凶だから、今後の焦点は、ロシアと関係を改善したいトランプ側がどう折り合いをつけていくか、である。
とっくの昔にイスラエル対イラン戦争の勃発を見越しているプーチン
さて、実は上の話は、誰でも思い浮かぶ程度のものだ。ちょうど、フリップを使ったテレビの政治解説でもやるような、ごく常識的な内容である。
だが、とてもそれだけとは思えない、というのが私の見立て。
もっと奥に何かがある。だから「恐ろしい」のだ。
ここで、プーチン目線でものを見てみる。彼にとってすでに以下のことが既知だ。
- ヒラリーとトランプの裏に、どちらもユダヤがいること。プーチンは、自分のお気に入りで、しかも国民の人気も高いマリア・ザハロワMaria Zakharova報道官を、わざわざ人気テレビ番組に出演させ、そのことを公言させている。むろん、西側メディアは「反ユダヤ主義を煽った」と反発している。
- ネタニヤフがオバマ後の対イラン開戦を見据え、何度もロシアに訪問して、プーチンの腹を探っていること。
- トランプの異常ともいえる親イスラエル姿勢。具体的には、ユダヤ社会に対して、イラン核合意を破棄し、イスラエルを100%守ると公約していること。
以上のことから、プーチンはすでに以下のことを予想しているはず。
第一にトランプもまたシオニストの影響下にあること、第二に彼の大統領就任以降、「イスラエル対イラン」の戦争が勃発する可能性が急激に高まること、そして第三にその異常な親イスラエル姿勢から米軍が必ずイスラエルの支援に回るであろうこと。
ロシアにとってイランは地政学上のパートナーである。
https://jp.sputniknews.com/middle_east/201604111939052/
2016年4月11日 – 二国間契約に基づき、ロシアの対空ミサイルシステムS-300の第一弾がイランに届け られた。イラン外務省のジャベリ・アンサリ報道官が発表し、Mehr通信が伝えた。
だから、戦争になれば、ロシアとイスラエルは、間接的とはいえ、必ず敵対関係になる。そして、場合によっては、イスラエルを支援するアメリカとも、やはり敵対関係になる。こういう連鎖は第一次・第二次大戦でもお馴染み。
ロシアがどの程度、イランを軍事支援するかにも拠るが、要は、イスラエル対イラン戦争の行方次第では、ロシアがイスラエル・アメリカと直接戦火を交える可能性もあるということだ。
実は、ここがポイントではないかと思う。
つまり、今まで、シリアをめぐって米ロ戦争に発展するのではないかと言われていた。また、ヒラリーが当選したら、その事案でさらに強硬になるだろうと。
だが、トランプが当選しても、やはりイスラエル対イラン戦争が勃発し、結局は米ロ戦争へと発展する可能性があるのだ。
どちらにせよ米ロ戦争になるのに、いや、むしろ後者の国家間戦争のほうが常に周辺各国や同盟国を戦火に巻き込んできたというのに、それを予想しているはずのプーチンはなぜそんなに「嬉しい」のか? 彼ほどの現実主義者はいないというのに。
ウラジミール・プーチンは、旧ソ連の混乱の中でKGBの職を辞し、政敵たちと凄まじい死闘を繰り広げながら這い上がってきた男である。大統領になってからも、巨大財閥と戦い、そのバックにいるグローバル勢力とガチで衝突してきた。
言うまでもなく、プーチンとトランプでは格が違う。
ここで私はハタと気づいたのである。そうだったのか・・・と。
わずか数年の猶予が雌雄を決するワケ
つまり、こういうことなのだ。
トランプ勝利の報を聞いた瞬間、彼はこう思ってニヤリとしたのである。
「これで万一、戦争になっても勝てる!」
どういうことか説明しよう。
仮にヒラリーが当選すれば、早ければ2017年度中にも、ロシアは第三次世界大戦に引きずり込まれる可能性がある。
いかにプーチンがやりたくないとはいえ、相手が攻撃してくれば反撃するほかない。そして反撃すれば、西側のメディアは「ロシアの先制攻撃」とでっち上げるだろう。
対して、トランプが当選すれば、第三次世界大戦そのものが避けられる可能性が出てくるが、仮にイスラエル対イラン戦争の延焼で米ロ戦争に発展したとしても、2017年度ということはない。おそらく、数年の猶予期間はある。
つまり、極端に単純化して言えば、大戦は2017年か、それともそれから数年後か、というだけの違いである。単に「時間的に遠のいた」だけの話だ。
そして、その数年が、実はプーチンとロシアの生死を別けるのである。
なぜか。日本では、ロシア軍の強さについて神話的ともいえる過大評価が広がっているが、実際には今現在、シリアでの軍事衝突を口実にして強力なNATO軍から戦争を仕掛けられたら、まずロシアに勝ち目はないというのが本当なようだ。
ところが、ほんの数年後には、この立場が逆転する可能性が高い。というのも、ICBMやSLBMなどの戦略核兵器が最新鋭タイプに更新されるからだ。
たとえば、40メガトン級のICBM「RS-28」。1発で広島型原爆2千個分の破壊力を持つという。正式配備は2018年から始まるらしい。
そして、第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」級。10個の核弾頭を装備するミサイルを16基搭載する。1番艦は2013年に就役したばかり。ちなみに、2番艦の「アレクサンドル・ネフスキー」は太平洋艦隊所属で、2015年4月以降、戦闘即応体制が整ったという。2020年までに所定の数をそろえる予定だという。
つまり、今から数年後には、なんとか軍事的な切り札がそろう。それまでは確実に負けるので、ロシアとしてはじっと忍従するほかなかった。
トランプ大統領誕生はプーチンの時間稼ぎ戦術の切り札だった!?
これでプーチンが、なぜヒラリーを嫌い、ネット工作してまでトランプ勝利を後押ししたのか、少なくとも一つの理由は見えてくる。それは時間稼ぎだ。
今まで権力内にいて散々悪事に手を染めてきたヒラリーは、それゆえにプーチンにとって手ごわい敵だ。ヒラリーはプーチンのことを独裁者とか、ヒトラー呼ばわりしているが、半分は事実である。だから、彼女が大統領になったら、ロシアの腹の底を正確に読み、先手を打って叩こうとするかもしれない。
対して、トランプはまったくのド素人。典型的なアメリカ人で、国際情勢や安全保障に関する素養が欠けていると言われている。もっとも、そのために補佐官などのブレーンがいるわけだが。ただ、ロシアの危険性に対して、ヒラリーより鈍いのは確か。
つまり、プーチンにしてみれば、トランプが大統領になれば、しばらく時間稼ぎが可能になる。その間に、なんとかNATOに辛勝できる軍事体制が整う。
3~4年後なら、万一大戦になっても、ロシアは勝負に打って出られる。
その時、プーチンは、ナポレオン戦争や独ソ戦争を通して、ロシアの成功体験として染み付いている伝統的な戦略を使うかもしれない。すなわち「国民の大半を犠牲にしてでも最後に勝ちさえすればいい」という戦い方だ。勝てばすべて報われる・・これがロシアの帝王の発想。そして、次のロシア大統領(2018年5月~24年5月)もどうせプーチン。
だから、あれほどトランプの当選を喜んでいる。
プーチンがほくそ笑んだ本当の理由・・・それは「これでロシアは勝った」だったのではないか・・・。
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