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サイババさんは9.11を予言していた!?

2011年4月、インドのサイババが亡くなった。今にして思えば、彼ほど毀誉褒貶の多い宗教指導者も珍しかったと言える。

ところで、そのサイババが実は2001年の同時多発テロを予言していたかもしれないと言ったら、みなさんは驚かれるであろうか。といっても、ソースはあくまで私のプライベートな体験である。しかも、録音やビデオなどの機械的な記録もない。

つまり、客観的な証拠が何もないわけで、さすがにこの状態で信用してくれと強弁するのは無理がある。よって、私にできることは、あくまで経験したことを淡々と話すだけだ。ありのままの話を信じるか信じないかは読者のご自由だ。私としては「話に偽りはない」と誓う以上のことはできない。以下、順を追って話そう。

さて「サイババさんに会いに行った話」の続き、いよいよ「予言」の話である。

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日本人の団体さんと会う

それはツアーの後半でのことだった。午後のダルシャンのあと、夕食の前だったか、後だったかは今となっては定かではないが、私は何気なしにアーシュラムの広場に向かった。そこは公立学校の運動場ほどの広さで、夕焼けの下、暇をもてあましているらしい西洋人を中心にして、人々がお喋りに興じたり、輪になってバジャンを唱和したりしていた。中にはギターを持って歌っているヒッピー風の男もいた。

私は人々の中に十数名くらいの同郷らしきグループがいるのを発見し、興味をもって近づいた。日本語が聴こえてきた。やはり日本人の集団だった。私は誰かに話しかけてみようと思った。すると、ほぼ時を同じくして、50代とおぼしき紳士風の男性がグループの前に現れた。

彼には見覚えがあった。バンガロール空港だったと思うが、ふいに現れて両手を合わせ、「こんにちわ」と私に挨拶してきた人だった。上半身パジャマクルタ姿のうえ、教団のマフラーまでしていて、すでに信者モードである。その場で少し立ち話したところによると、同じ日本人を見かけたので声を掛けたということだった。

仮にA氏としておこう。彼は片手に文書を持っていた。そして「みなさん」と、グループに向かって呼びかけた。すると、彼を中心にした輪が自然と形成された。

A氏がその場でした驚くべき話

このA氏がもともとそのグループのリーダーだったのか、一メンバーなのか、あるいはたまたま日本人の一団を見つけて近づいたのかは、今もって分からない。いずれにせよ、誰かに話しかけようと思った瞬間、私はその年配の紳士に機先を制される格好になった。そして意図せざることに、まるで元からメンバーであるかのように、図々しくその内輪の会合に加わることになってしまったのである。

A氏が文書を掲げた。そして、新しい世紀(もしくは千年紀)を迎えたのを機にババ様が近い将来に人類に起きる出来事を予言された、という意味のことを語り始めた。

「これはババ様の側近の方から回ってきた情報だから、ババ様ご本人の予言である確度は非常に高い」

A氏が断言した。たちまち、場の空気が期待と緊張の入り混じったものへと一変した。私は胸が高鳴るのを感じた。思いも寄らない形で「サイババ予言」に接する機会が得られたのだ。しかも、まったくの偶然に。これを神の恩寵といわずして何と呼ぼうか。

A氏がその情報をどこでどうやって入手したのかは定かではないが、おそらく組織の上層部に何らかのコネがあるのだろう。その英語の原文を彼が日本語に訳して、わざわざこの場で発表してくれるということだった。A氏が文書を読み上げ始めた。私はまったくの部外者であるにもかかわらず、さもメンバー然とした表情で、それを拝聴した。

まずは喜ばしい話題からだった。それは「世界の統一は一般に想像されているよりもはるかに早い」という内容だった。たしか「数十年で」という具体的な数値が出てきたような気がする。しかも、話をうかがう限り、それは超国家的な独裁や政治的な制度が主導するものではなく、人々が互いの違いを乗り越えて同胞と見なすようになるといった、意識や精神面が先行する形で成される意味での“統一”であるらしかった。

この、あまりに理想的すぎる予言に対して、当時の私は今ひとつピントが合わなかった。しかし、この十五年間におけるインターネットとグローバル経済の急速な進展をリアルタイムで目撃してきた現代人の一人として、今ではほとんど納得することができる。

わずかな期間で、情報と経済の面で世界がフラットになった。今や双方向どころか、大衆が大衆に向けて自由に情報を発信し自在にコミュニケートできるようになった。

たしかに経済のグローバル化は先進国の中間層に打撃を与えたが、一方でその何倍もの途上国の貧困層が中間層入りする手助けをし、世界的に見れば富の平準化の役割を果たした。今や世界中のライフスタイルが驚くほど同質化している。英語圏では国境を越えて住み易いと思った都市へと自由に移住する人たちも急増中だ。

ちょうど、それまで藩が“クニ”だった日本人が、幕末から明治にかけて一つの国民という意識を持つように至ったように、世界中の人々が同じ人類として目覚める日も、案外近いのかもしれない。

「アメリカ人は飛行機に乗る時には十分に気をつけるように」

ただ、あらゆる喜ばしい成果がそうであるように、そこへ至るまでには困難が付きまとうものらしい。A氏が読み上げるところによると、そのプロセスにおいてあらゆる問題や対立が噴出するが、とりわけテロの急増で世界中が騒然とするという。

そう、たしかに「テロ」と言ったのだ。しかし、当時の私は「え?」と固まった。というのも「予言」というからには、世界大戦とか、どこそこで大災害が起きるといった、人類的なスケールの話を期待していたからだ。「テロ」というと、当時は個人や少人数グループによる「事件」というイメージで、なんでその程度のことをわざわざ予言する必要があるのかと訝った。そして、極めつけはA氏が次のように続けたことだ。

「航空機を使ったテロが世界を震撼させることになるだろう。とりわけ、アメリカ人は飛行機に乗る時には十分に気をつけるように

前後が違うかもしれないが、「航空機」とか「アメリカ人」といった具体的な単語の出現に関して私の記憶に間違いはない。なぜなら、まさにその箇所で私は失望したからだ。

(アメリカ人は飛行機に乗る時に気をつけろ? はあ? なんだ、それ?)

ナンセンスだ、と私は呆れた。正直、失笑ものの内容だった。しかも、そう思ったのは私だけではないらしく、周囲の人からも興味が失われていくのを感じた。あとはよく聞いていなかった。しばらくしてA氏は話を終えた。総じて、予言というわりには、どうでもいいような、馬鹿馬鹿しい内容であるように思われた。

ただ、念のためである。私は独演会を終えたA氏に挨拶して、その紙のコピーをくれるように頼んだ。しかし、彼は、今持ち合わせがないということで、住所を教えてくれたら後で送りましょうと提案してくれた。そこで私は名刺を渡して、よろしくと頼んだ。

だが、A氏はそれっきり忘れてしまったらしい。帰国後もその文書のコピーが郵送されることはついぞなかった。私も「まあいいか」と肩をすくめると、こんな“マイナーでつまらない”予言のことなんか、すぐに忘れてしまった。

言うまでもなく、この時の記憶は、2001年9月の同時多発テロ事件が起きるまで、眠り続けることになる。

しかも、この予言を衝撃的に思い出して以降も、私は他人に話すことは控えた。どうせ誰も信じないだろうし、話したところで自分にマイナスにしかならないと思ったからである。つまり、公開するのは、今回が始めてなのだ。

この予言を聴いた人は、私を含めて十数名はいるはずだ。心当たりのある方はトカナ編集部まで連絡してほしい。とりわけA氏には、是非とも名乗り出て、予言の全文を公表していただきたいと思うのである。

2015年05月17日「トカナ」掲載

(*題名・見出し等は少し変更してあります。A氏からの連絡はまだありません。)

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