誰も語らないもう一つの「9・11」

戦争・紛争・革命・崩壊




2017年9月3日、北朝鮮が推定160キロトンの水爆実験を行った。

広島型原爆が16キロトンだから、その十倍の威力である。

その直後、アメリカは素早く動いた。北朝鮮に対する制裁に消極的な中ロを説得。

その結果、国連安保理は、早くも9月11日には、北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で可決した。異常なスピード決議である。

通常、何か「事」が起こってから、それに対して各国が制裁の内容を検討するところから交渉が始まる。しかし、今回は事前に制裁内容が準備済みだった。

理由として、一つには8月の制裁決議の際に、次の対象も検討されていたこと。もう一つには、アメリカがかなり以前から水爆実験を察知していたことが挙げられる。

水爆実験は何ヶ月も前から準備する必要がある。アメリカは偵察衛星のほか、シギント(電波情報)やヒューミント(人による情報)も駆使してそれを探っている。

しかし、普通なら、ここまで決議を急ぐ必要はない。

実は日本側の外交当局もそのことについて戸惑ったようだ。ただ、日本にしてみれば、決議は早いほうがいいので、黙ってアメリカと歩調を合わせて各国を説得して回った。

もっとも、ヘイリー米国連大使でさえ、真意を知っていたか疑わしい。

すべては「上」からの指示である。

では、なぜアメリカは急いだのか? ここがポイントだ。

すべては「9・11」の日に間に合わせるためだった、としか思えない。



これは世界支配層のマーキングではないのか?

では、なぜアメリカは「9・11」にこだわったのか?

その答えは、その直後の成り行きを見れば、何となく浮かんでくる。

2017年の「9・11」の後、トランプ大統領は国連総会で演説した。彼は「ならず者政権」だとして、イランと北朝鮮の二カ国を名指し、厳しく非難した。

この出来事は16年前を思わせる。

2001年の「9・11」を受けて、ブッシュ政権が「ならず者国家」と認定したのが、イラク・イラン・北朝鮮の三カ国だった。

そして2003年3月、アメリカはイラクと開戦した。

果たして、この二つの類似は偶然なのだろうか。それとも意図的だろうか。

どちらの「9・11」も場所はNYだ。しかも、国連本部といえばロックフェラー家が提供した土地にある。さらにロックフェラーのお膝元――事実ロックフェラー・ビルの1階にあるNBCのスタジオ――で、8月に米共和党の大物議員であるリンゼー・グラム氏が対北朝鮮戦争を考えているトランプ政権の内幕を暴露している。

ロックフェラーがついに第二次朝鮮戦争のサインを発したか
ダンフォード統合参謀本部議長、ハリス太平洋軍司令官、ミリー参謀総長らの最近の発言を引用して、私は彼らの本音を、前回の北朝鮮関係記事で以下のようにまとめました。 暗に「われわれは朝鮮半島がどうなろうが、米本土の安全保障を優先する」と、語ってい

このように、先の対北制裁決議を「9・11」に実施したことによって、2001年の「9・11」と多くの点で符号が生じてくる。

私はここに引っかかった。

つまり、深読みかもしれないが、急いで「9・11」に間に合わせたのは、偶然ではなく、意図的であり、しかも世界支配層のサインとは考えられないだろうか。

彼らは自分たちが関与したり計画したりしたイベントには必ずマーキングする。つまり、「この事案はわれわれのコントロール下にある」と暗に訴えるわけだ。

だいたい「9・11」にこだわりをもつ連中なんて彼らしかいない。今回の対北制裁決議を「9・11」に間に合わせたことによって、「これは2001年の『9・11』と同じ様にわれわれがやっているのだぞ」と、分かる人間にだけサインを送っているのだ。

今のところ、こういった「サイン」を読み取っているのは、私だけのようだ。

もともと第二次朝鮮戦争は世界支配層の計画というのが私の考え。

彼らは第三次世界大戦をやる予定だ。そのために、「核のタブー」を破り、新兵器やミサイル防衛システムの実戦テストを行うことが必要になってくる。

つまり、第二次朝鮮戦争とは、そのための予行演習として計画されたものだ。

【陰謀】世界大戦の予行演習として計画された第二次朝鮮戦争
1994年の「米朝枠組み合意」の頃から一貫して東アジア外交の畑を歩んできた米国務次官補のダニエル・ラッセルは、2016年の後半に次の発言をした。 「金正恩は核攻撃を遂行する強化された能力を有することができようが、核攻撃能力を持った途端、死ぬ...

そのことは上の記事に詳しく記した。

今回の「9・11」とは、要はブッシュ政権の時期に撃ち漏らしたイランと北朝鮮の二カ国を今度こそ殺ってしまうぞという、世界支配層の宣戦布告ではないだろうか。

収入の9割を断たれた北朝鮮は今後どう出るのか・・

さて、肝心なその制裁内容であるが、それについては以下の記事で触れた。

2017年9月11日、北朝鮮との戦争が始まった
奇しくもNY同時多発テロから16年目を迎えた先の9月11日、北朝鮮に対する国連安保理の追加制裁決議が可決した。 北朝鮮が9月3日に強行した水爆実験に対するものだから、異例のスピードだ。その3日後には当初案を各国に提示しているから、米国はかな

要は、北朝鮮の輸出収入の9割を断って、国民の雇用を大幅に奪う内容である。

これは昔の言葉でいう「兵糧攻め」だ。北朝鮮の国民は刻々と大量餓死へと向かっていく。

金委員長の秘密資金の管理などを任されていた元幹部の李正浩氏(2017.10.16)

だから、私はこの「9・11制裁」のインパクトを指して、これで戦争になった、大変だと言っている。しかし、専門家や知識人は、この制裁の持つ意味をまったく理解していないのか、あまりに反応が鈍い。

その上、アメリカ国務省は北朝鮮との「対話」とは口で言うが、内容は「非核化の要求」である。常識的に考えても分かることだが、北朝鮮が莫大な見返り(たとえば10兆円の援助など)もなしに核・ミサイル開発を止めるはずがない。つまり、ただ単に非核化の要求を突きつけるというのは、外交交渉でも何でもないのである。

日米はすでに北朝鮮に対してハルノートを突きつけてしまったと、私は考えている。

北朝鮮は今や戦前の日本帝国と類似した立場に追い詰められている。このまま何もしなくとも、「9・11制裁」により一年後には餓死に追い込まれる。

だから、「どうせ死ぬのなら」と考えて、彼らが“パール・ハーバー”に出てもおかしくはない。とすれば自殺覚悟の「先制核攻撃」もありえるのではないだろうか。

私は、北朝鮮が先制攻撃に打って出るか、それとも、それを察知した米軍が逆に自衛措置として先制攻撃に打って出るか、どちらかの可能性が高くなったと思う。

今回の「9・11」がどれほどの意味を持つか、お分かりだろうか?

(*以下は第二次朝鮮戦争に関する筆者の予測記事)

米軍の超ハイテク戦こそバノンの言う「方程式の解」だ

究極のエアシーバトルが朝鮮人民軍を封じ込める

朝鮮人民軍は大量破壊兵器を持って地下トンネルから現れる

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