【予知夢】近未来、東京以北の閉鎖と首都移転が起きる!?

予言・予知






■保江邦夫博士とある近年の著作

今、私の手元に『古神道《神降ろしの秘儀》がレムリアとアトランティスの魂を蘇らせる時』(ヒカルランド)という本がある。題名にはやや引いてしまうが、著者はノートルダム清心女子大学大学院教授にして理学博士の保江邦夫氏だ。量子論における「ヤスエ方程式」を発見した世界的業績をお持ちの上、合気道系の武術を主宰するという、今精神世界注目の人でもある。要は、立派な経歴をお持ちの現役の科学者の方だ。

やすえ著作

保江邦夫

実は、この本の180ページに「トミヒサ夫人の近未来予知夢――東京以北の閉鎖と首都移転」と題する不気味な一文がある。以下、概要を説明すると――。

13年9月、保江氏は精神世界探求の一環としてイルカやクジラと触れ合うべく、姪っ子さんと共にハワイへと向かった。滞在中、たまたま友人の紹介でワイキキ通りにある日本人経営の寿司店に入ると、案内されたテーブルに二名の先客がいた。それがトミヒサ夫妻である。保江氏はその初対面者の話にたちまち引き込まれてしまう。

それによると、トミヒサ氏(仮名)は70歳を超えた方だが、20代の頃は東京でテレビ番組のカメラマンをしていた。ある日、彼はUFOを呼べるという老人を取材することになり、武蔵野の森へと向かう。最初は疑っていたが、なんとロケバスよりも数倍も大きい光り輝くUFOが本当に現れ、老人の前に着陸した。トミヒサ氏はその一部始終をカメラに収めることに成功した(*筆者注:結果的に未放映のようだが、理由は非明示。また、個人が特定されないよう状況設定などを少し脚色したとも保江氏は断っている)。

一方で、トミヒサ氏のショックも大きかった。しかも、今度は、なんと彼自身がUFOに連れ去られ、人類の将来を案じる宇宙人からメッセージを託されるようになる。トミヒサ氏がハワイに来たのはそれから逃れるためだった。だが、またしてもUFOは現れた。結局、使命を果たす決意をした彼は、自身の体験を小説の形にして出版した。

さて、そのトミヒサ氏と結婚して以来、夫人の方は度々予知夢を見るようになった。保江氏の表現を借りると、それは「すべてが近い将来に起きるであろう出来事を予知する内容」である。あの東日本大震災も発生の数ヶ月前に予知夢で見ていた。

その夫人が、たまたまその日の朝も恐るべき予知夢を見ていた。保江氏がその内容を教えてほしいと頼むと、夫妻は顔を見合わせ、意を決して語ってくれた。

それは今(13年9月)から3年後の未来だった。トミヒサ夫人が帰省のため成田行きの便に乗っていると、機長からアナウンスが入り、突然、行き先が関西国際空港に変更される。関空に着いて、彼女は初めて成田閉鎖の理由を知った。なんと、日本政府が「東京よりも北に位置する関東のすべての県と東北地方南部の県の全域」の立ち入り禁止を決断したのだ。そして「危険な立ち入り禁止区域に隣接する東京が首都のままでは首都機能が滞りかねない事態に陥るかもしれない」ので、岡山への遷都も決定された…。

――以上である。

著者の保江氏ご自身は、「夢の内容が予知夢としてそのうち現実になる」ことが問題だとして、危機感を表明されている。

■それはまたしても同じ場所での原発事故なのか!?

一般社会では、仮に“予知夢”の内容を真に受けたりしたら、非常識との謗りを受けかねない。しかし、保江博士ともあろう方が、いたずらに人々の危機感を煽るためにこのようなエピソードを載せたとも考えられない。そこで私は、こう考えることにした。

「これはあくまで夢の話にすぎない。その大前提に立った上で、夢の内容を警告と受け止め、万一の場合も考えて、今から対策を立てておけばよいのではないか」と。

夢の内容を、本当だ、ウソだ、と議論しても始まらない。そんな議論に熱中する暇があるなら、少しでも分析して冷静沈着に対策を練ったほうが建設的である。というわけで、私は真剣にトミヒサ夫人の予知夢の“解読”に取り組むことにした。

実は、東日本の広大な地域が立ち入り禁止となる理由は、本書では語られていない。ただ、常識的に推測すれば、原子力災害以外にありえないと思われる。しかも、またしても福島原発の事故のようだ。なぜなら、立ち入り禁止区域――東京よりも北にある関東の全県と東北地方南部の県――の「中心」に位置するからだ。

この被災エリアにある原発施設といえば、北から順に「女川」「福島」「東海」の三箇所だ。だが、仙台市よりもさらに北にある女川原発の場合、関東からあまりに遠すぎるし、しかも東北の北部も被災しなければおかしい。逆に東海第二原発(*東海原発は廃止)や「もんじゅ」の場合、東北からは遠すぎるし、東京や神奈川まで被災する可能性が高い。

あくまで、「福島第一・第二原発で何らかの重大事故が起こり、半径約150km圏内が立ち入り禁止区域となる」と想定した場合にのみ、この被災エリアにピタリと該当するのだ。すると、「3・11」直後の事故よりもさらに酷い事故の再発を示しているようだ。

■あの“4号機問題”の悪夢が現実化する?

もっとも、軽水炉の炉心事故にしては、あまりに広範囲すぎる。周知の通り、福島第一の三機の原発は、全電源喪失・冷却不可能になり、核燃料のメルトスルー事故を起こしたが、それでも立ち入り禁止区域は原発周辺に限られている。高濃度の放射性物質がここまで広範囲に撒き散らされる事態は、圧力容器の大爆発以外に考えにくい。しかし、福島第一原発は既事故機であり、第二原発も冷温停止中であるため、ますますその可能性は低い。

しばらく考えて、ハッとした。これは炉心の事故ではなく、使用済燃料プールの事故ではないのか、と。この推測ならば、被害の大きさに辻褄が合う。

一時期、人々を恐怖させた、いわゆる「4号機問題」を思い出してほしい。震災時、同機は定期点検中のため、炉心事故は免れたが、その代わり燃料棒はすべて併設の貯蔵プールに収納されていた。その数は1500本超。当時、懸念されたのは、相次ぐ余震で建屋が倒壊したり、プールの壁が壊れたりして、冷却水が流出する事態だ。空気中に露出した燃料集合体は最終的に自燃するという。しかも、貯蔵プールは「むき出し」で、天井も崩壊しており、放射性物質を遮蔽するものがない。よって、大気中に放出されるその量は圧力容器のベントとは比較にならない。チェルノブイリの事故では炉の上部が青天井になり、ヘリコプターから赤黒く燃える核燃料が視認できたというが、ちょうどそれと類似の重大事故になる。しかも、核物質の量は福島原発のほうが断然多いのだ。

幸い、アメリカまでもが懸念を示したせいか、4号機の貯蔵プールからの燃料集合体の移送は、2014年12月22日をもって完了した。現場の皆さんのご努力には、改めて敬意を表したい。ただ、ここで安心しきってしまうのも危険だ。この件でもっともリスクが高いのは4号機だが、1~3号機も同様の問題を抱えていることに変わりはない。折りしも、最近になって3号機の貯蔵プールの不安定さが漏れ伝わってきた。

また、福島原発は3・11後も繰り返し余震にさらされている。緊急地震速報の字幕では、よく震源として「中央通り」が表記されたが、これは原発直下に等しい。四年前よりもコンクリートと中の鉄筋がさらに疲労していることは間違いない。その上、不気味なことに最近、筑波大学の研究グループなどが「東北沿岸における地震エネルギーの蓄積が震災前と同レベルに戻った」などと発表している。これは巨大余震の兆候だろう。すると、トリガーとなるのは、またしても東北地方での大地震なのだろうか。

■予知夢を解読した結果、衝撃の未来が……!?

というわけで、予知夢の警告する巨大災害について、だいたい推理することができたと思う。その結果を、あえて過去形の一文にまとめてみた。

「2016年9月(±数ヶ月)、東北地方沿岸で再び大地震が発生した。それはすでに疲弊していた福島第一原発3号機のコンクリートに決定的なダメージを与えた。建屋のあちこちに亀裂が走り、一部が崩壊した。不幸なことに、それは使用済燃料の貯蔵プールも例外ではなかった。冷却水が一挙に抜けた。発電所側は流出事故に備えた注水システムを急きょ作動させた。だが、それは穴の開いたバケツに水を注ぎ込むのと同じであった。このような全面的なプールの崩壊は『想定外』だったのだ。やがて、むき出しになった一部の燃料集合体が高熱を発し始めた。そして、燃料棒を被覆しているジルコニウムが水と反応して水素を発生させ始め、ついに注水すらも危険になった。やむなく発電所側は『総員退避!』を指示した。それに伴い、連鎖反応的に他号機の管理も不能になった。大量の放射性物質を含んだ煙が大気中に放出され始め、計測器のメーターが振り切れた。東日本全体がパニックに陥った。政府に設置された緊急対策本部は苦渋の決断を強いられた。総理大臣が臨時声明を発表した。『福島第一原発から半径150km以内を立ち入り禁止とし…』」

このように、予知夢を解読した結果は、思いのほか恐ろしいものだった。

しかも、夫人が予知夢を見るようになったのがコンタクティのトミヒサ氏と結婚して以降ということは、これはエイリアンによって「見せられている」可能性も高いわけだ。つまり、実質「情報源はエイリアン」と言ってよい。彼らなら未来を観るテクノロジーを有していても不思議ではない。ただ、内政不干渉の法則――地球の問題はあくまで地球人が解決せねばならない――があるため、回りくどい警告しかできないのだろう。わざわざ13年9月に3年後の未来の光景を見せたのも「事故機」の暗示の可能性もある。

■対策を考えてはみたが…

これを「宇宙からの警告」と受け止めて、なんとか現実の災害防止に生かせないものだろうか。とりあえず、私は東京電力に問い合わせてみた。

まずは各貯蔵プールにある燃料棒の数だ。1号機は292本、2号機は587本、3号機は514本という回答だった。また、通常の冷却水ポンプとは別に、臨時に注水を行える仕組みがあり、そのための貯水ダムも有しているとのことだった。

このように、基本的には、こちらの質問に対して丁寧な受け答えだった。

ただ、私はそれでも懸念が拭えなかった。貯蔵プールは、大雑把にいえば、縦・横・深さが十数メートルほどある巨大なものだ。今言ったように、大地震でプール自体が壊れてしまえば、いくら水を追加しても「穴の開いたバケツ」同然だ。おそらく、注水方式では「漏水」程度ならともかく、一挙に水が消失してしまうケースには対応できない。だから「注水」という発想からいったん離れる必要がある。

私はふと、福島原発事故の時、必死で「雨乞い」をしたことを思い出した。こんな場合、むしろ上からまんべんなく水をかける形のほうが、冷却効果が高いのではないか。そこで私は「独立系統の緊急冷却用シャワー(ないしスプリンクラー)」というものを考えた。これをプールの上部に取り付ける。水シャワーが降り注いでいる間は、いくら水が抜けようが、とりあえず燃料棒はオーバーヒートしない。その間に、プールの修理や、燃料集合体の移送を行えばいいのだ。

というわけで、この装置の設置を、東電の窓口をした方に提案しておいた。一応は「上に報告して検討します」との回答だったが、これはやはり儀礼だろう。しかし、私に続いて同じ提案をする人が何十人と現れれば、東電も重い腰を挙げるかもしれない。

また、東電への提案後に気づいたのだが、よく考えてみれば、既存の注水システムを少し改装するだけで済みそうだ。燃料集合体の上にまんべんなく水がかかるようシャワーヘッドを取り付けて、バルブの切り替えで、そこへ既存システムから水が行くようにすればいいのである。つまり、枝系統を付け足すだけだ。むろん、クレーンを使った燃料集合体の移送作業の邪魔にならないような形で(又は邪魔な管はそのつど撤去すればいい)。

おそらく、この程度の設備の追加には、1億円も掛からないはずだ。その程度の金を惜しんだあまり、東日本が立ち入り禁止区域になったとすれば、これ以上愚かな話はない。

やはり声を上げることが重要だ。私は「シャワー式冷却システムの追加」程度しか思い浮かばなかったが、もっといいアイデアのある人は、それを東電に提案してほしい。

予知夢の警告だろうが何だろうが、事故を防ぐための対策なら、いくら取ったところで、やり過ぎということはない。要は、より安全になるなら、何であれ奇貨として利用すればよいのではないか。ともあれ、私はもう二度と「想定外」という言葉は聞きたくない。

2015年6月8日「トカナ」掲載

(*題名・見出し等は少し変更してあります)

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