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バーゼル・フランクフルト・ロンドンを繋ぐ一本のライン

From Wikimedia Commons

みなさん、こんにちは。

今年2017年は500周年」ですね、ルターの宗教改革から。

ただ、プロテスタントの基礎を本当に作ったという意味では、スイスの宗教改革のほうにも目を向けなければなりません。具体的にはフルドリッヒ・ツヴィングリとジャン・カルヴァンという人ですね。1536年、カルヴァンがスイスのバーゼルで刊行した『キリスト教綱要』はプロテスタント信仰の基になったそうです。

ただし、スイスの建国史を見るとき、そのはるか前、13世紀から始まっていたハプスブルグ家に対する自治闘争にも注目する必要があります。

まあ、難しく考える必要はありません。要するに、中央政府に対して税金を支払うのが嫌だという話です。日本の戦国時代にも、当時来日したイエズス会員いうところの、共和制の地域や自治都市がたくさんありました。イエズス会員が大阪の堺を指して「東洋のベニス」と呼んだことは、実は物凄く意味深なんですが・・。実際に天皇家に高利貸しを行っていた金融資本とか、今でいう軍需メーカーまでありましたから。

古今東西、常に地域の自治・自立・独立を引き起こしてきた原動力こそ、この「課税問題」でした。まあ、平たくいえば、「おれの稼ぎを他人に持っていかれたくない」という人類共通の素朴な想いというか、徴税への恨みつらみというか・・・(笑)。

ちなみに、スイス独立の場合、当初は自由農民たちの自治権闘争として始まりました。それが「森の三州」とも呼ばれる連合でした。そこに周辺都市が加わって「八州同盟」となりました。そして、この同盟が独立の中心的役割を果たします。

興味深いことに、その中の一州ルツェルンで300人委員会」という市民集団がチラリと姿を現しては、また消えています。1386年、そのルツェルンと「三州」がハプスブルグ家の軍隊を撃破します。これがスイス独立の大きな足がかりとなりました。

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BISと欧州中央銀行

ところで、スイスのバーゼルといえばBIS(国際決済銀行:Bank for International Settlements)で有名です。中央銀行の中央銀行とも言われる。

From Wikimedia Commons バベルの塔のイメージ?

バーゼルはライン川(Rhein)の大型物流の終点です。スイスといえば山間の国で、「港」のイメージからはかけ離れていますが、バーゼルは国際貿易港です。

このライン川を下っていくと、ヘッセン州の都市マインツがあります。この都市にはビショフスハイム家 Bischoffsheimというユダヤの銀行家がいました。

このマインツに注ぐライン川の支流に、マイン川という大河があります。一応、この合流点より源流側がライン川上流域という扱いです。このマイン川をまたぐ形で大都市フランクフルトが存在します。マインツと同じヘッセン州内です。

ここにあるのが欧州中央銀行です。

下記の記事でも説明しましたが、ここのゲットー内に、ロスチャイルド家 Rothschild、シフ家 Schiff、オッペンハイマー家 Oppenheimer、ゴールドスミス家 Goldsmith、それからシュテルン家 Sternなどが自宅を構えていました。

ロスチャイルド家の原点 フランクフルト・ゲットー
今日、ロスチャイルド、シフ、オッペンハイマー、ゴールドスミスといえば、世界に冠たる金融資本家・企業家・大財閥として知られています。 実は彼らは皆、同じ地域、というか場所の出身でした。 それ...

さらにライン川を下っていくと、ボン、デュッセルドルフなどの大都市を通り過ぎます。そして、オランダに入ります。ここが河口域です。ここでまた複数に分岐しますが、もっとも大きなワール川が注ぐのがオランダ第二の都市ロッテルダムです。

ここの河口はドーバー海峡のやや北側に位置します。ですから、河口を出て直進すると、今度は対岸のテムズ川に入って、そのままロンドンの中心部まで行くことができます。

ロンドンの新たな金融街とロスチャイルド銀行

かつて金融機能はシティに集中していましたが、今ではそこから数キロほど下流のところにあるカナリー・ワーフCanary Wharfにも移転しています。カナリーは「カナリア諸島」との貿易にちなむ名称だそうです。

一帯を開発したのはオリンピア・アンド・ヨーク Olympia & Yorkという会社です。持ち主はライヒマン家 Reichmann――むろんユダヤ系です。

ソロスと同じハンガリー出身です。「オリンピア」とはこれはまた意味深ですね。ライヒマン家が急激に財閥化した経緯には不可解な点もあります。現在、“カナダ総督”はブロフマン家と言われていますから、それに次ぐ地位なのかもしれません。中央のワン・カナダ・スクウェアがライヒマン家所有。屋上部がピラミッド型をしています。

From Wikimedia Commons

左がHSBCタワー、つまり香港上海銀行です。元は中国へのアヘンの売上金を扱っていました。世界最大級の銀行で、サッスーン家が支配しています。現当主サッスーン男爵 Baron Sassoonは三菱UFJフィナンシャルの顧問です。以下記事です。

サッスーン財閥と蒋介石の秘密
この記事は「アチソン・ラインから見えてくる韓国の“最後の使い道”」という趣旨で書き始めたのですが、長くなったので、その前半として切り離したものです。  アチソン・ラインとは何だったのか? アチソン...

右がシティ・グループ・センターです。言わずと知れたロックフェラー

以上がロンドンの三大高層ビルでもあります。

シティもテムズ川に接しています。シティには当然、イングランド銀行があります。またN・M・ロスチャイルド&サンズ(N M Rothschild & Sons)のニューコート New Courtもあります。新宮廷とも読めますから意味深ですね。

出典:Office for Metropolitan Architecture

もしかして、現代の金融貴族を自負しているのかなと、勘ぐってしまいます。

ここ十年くらいの間に「彼ら」の新ピカの本社ビルが雨後の竹の子のように生えてきたのも不思議です。NYのWTCのビルも、来年ですべて出揃うようですし・・。

このように、スイスのバーゼルからライン川をずっと下っていくと、ロンドン・シティまでが一本の水上ルートで結ばれていることが分かります。Rhein川は文字通りlineなわけです。地理的にいえば、せいぜい東京から福岡くらいの距離関係です。

本当は、もっといえば、バーゼルから遡ってチューリッヒ、そしてアルプスの峠を越えてミラノ、そこからジェノバ・ヴェネチア(地中海)へ抜ける逆のルートもある。

「場所」や「名前」は適当ではありません。すべて意味があります。

以上「ライン川って便利ですね」というお話でした。

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