さて、(その2)である。
前回は、デンバー国際空港のターミナルに存在する奇怪な4枚の壁画のうち、第一から第三までを解読した。「続き物」なので、是非とも前回から入ってほしい。
今回はいよいよ第四の壁画を解読する。
「自然と共にある平和と調和の中で」(In Peace and Harmony with Nature)の右側の絵がそれだ。これが絵物語の“結論部分”に当たる。
まず、この絵を見て瞬時に分かるのは、人口が大幅に減少していることだ。
第一の壁画と比較すると、各民族を象徴する子供達の数は「約3分の1」に減っている。そして、その中に日本人はいない。
その代わり、シロナガスクジラ、オオカミ、ヒョウ、ケツァール、ツルなどの絶滅危惧種が生き生きと描かれている。
子供たちの背後には、美しい自然が生き生きと描かれている。
かつての破壊から環境が完全に回復した“新たなエデンの園”と呼べよう。その新世界で数を大幅に減らした子供たちが幸せそうに暮らしている・・そういう内容だ。
絵の中心にあるのは「虹の花の苗」だ。そこに焦点が合わさっている。
この花は光っている。また、平和の象徴たる“白鳩”を中に宿している。
おそらく、虹は「希望」を、白鳩は「平和」を象徴している。
「第二の壁画」において、虹と白鳩がいったん滅びたことを思い出してほしい。
それが「第四の壁画」で「苗」として復活したのだ。
それは「新たな世界で再び希望と平和が芽生えた」ということを意味するのだろう。
子供たちはその虹の花の苗(=新世界の誕生)をとても喜んでいる。
しかも、有色人種の女の子が真ん中にいる。作者は彼女を主役に位置づけている。
当然ながら、この絵は大多数の人々に「ハッピーエンド」を思わせる。
絵の本当の意味は「ルシファーの誕生」だった
このように、一見すると、壁画は人類の理想社会の到来を予告している。
だが、フリーメイソンは本当にこんなディズニーのファンタジーのようなストーリーをわれわれに伝えたくてレオ・タングマに絵を描かせたのだろうか?
ありえない。本当は人々にそう錯覚させるのが彼らの狙いである。
注意深い人なら、第四の壁画の中の「白鳩」が何か変な形であることに気づくだろう。
前の絵では、白鳩は写実的に描かれていた。しかし、これはのっぺりした外見で、まるでプラスチックのお化けのようだ。
それにこの虹の花の苗からは「どこか卑猥な印象」がする。
それもそのはず。この絵は引っくり返すのが正しい。すると、本当の意味が分かるのだ。
これは女性器を暗示しているのだ。
なぜネイティブ・アメリカンの少女が放射状の花の被り物をさせられているのか、驚くべき理由がお分かりだろう。なんと、彼女は「肛門」役をさせられているのだ。
絵は一見、有色人種を新世界の主役に持ってきているが、裏にはちゃっかり悪意が隠されているわけだ。すると、引っくり返す前の絵は、ペニスを表している可能性がある。
結論から先に述べると、これはルシファーの誕生を意味している。
少年の帽子にもルシファーLuciferの綴りにあるCとRが入っている。
花の中にいる変な白鳩は、逆さにすると「堕天使風の垂れた翼」になる。
しかも、その逆さの鳩の“位置”が注目に値する。これこそ「誕生」の暗示だ。そして、その誕生を子供たちが歓迎している・・・そういう意味だ。
では、なぜ「性器の描写」がルシファーを暗示することになるのか?
その理由は聖書の「創世記」に由来している。
「創世記」には、アダムとイブに対して、エデンの園の中央に生えている木の実を食べるように、「蛇」が二人を唆す場面が描かれている。その結果、二人の目が“開いた”。彼らは自分たちが「裸」であることに気づき、己の「性器」を葉っぱで隠した。
つまり、アダムとイブに性器の存在を気づかせたのが蛇なのだ。
一般的に蛇は「人間を堕落させた邪悪な存在」と解釈されている。
だが、サタニズムでは逆だ。この蛇こそ、神の支配下で盲目状態にあった人間の無知を解いてくれた存在として、崇拝対象になるのだ。
それゆえ蛇は一方で「神に反逆したルシファー」の象徴でもある。
つまり、性器を性器であると最初の人間に分からせたのがルシファーなのである。
これはまた「真実を知りたければ物事を逆さまにしろ」ということも教えている。
つまり、逆さまにした壁画の中で、巧妙に隠された性器の存在に気づいた人は、蛇(ルシファー)によって啓蒙された(=イルミネイトされた)人間というわけだ。
高位のフリーメイソンはこの絵を見て性器が隠されていることを理解する。だから、彼らにとってこの絵は仲間内のサインが込められたものなのだ。
暗号解読の鍵は旧約聖書にあった
ところで、「創世記」では、「虹」はノアと神との契約のしるしだ。
また、「鳩」は、洪水が収まったあとに、ノアが放った生き物でもある。
だから、壁画の指す“新世界”は、ノアの洪水に匹敵するような破局後の新世界を意味している可能性がある。ちなみに、私もそのような破局が来ると予測している。
おそらく、“新世界”はルシファーによって支配される“新しきエデンの園”なのだ。
そのように結論する根拠は他にもある。絵全体を引っくり返すと意味が分かる。
逆さにした第四の壁画は、巨大なコウモリや蛾を思わせる。いずれも闇を表す生きものである。その翼の下に、子供たちと新しい世界が置かれている。
邪悪な生きもの(=ルシファー)は、「子供たちも、砂漠も、森も、山々も、海も、すべては私の所有物だ」と主張しているかのようだ。
しかし、一番似ているのは・・。
ダンテの『神曲』地獄篇の挿絵として描かれた魔王ルチフェロ(Lucifero)だ。
つまり、第四の壁画全体がルシファーを暗示している。
ルシファーは神に叛逆したため、神によって地上に落とされた。その時、地獄の大穴が誕生した。挿絵はその最下層で彼が人間を食べている様子だ。
とても邪悪な絵である。果たして、このような壁画が本当に人類の真の平和と幸福を意味しているのだろうか? 引っくり返す前の絵はやけにハッピーな様子だが・・。
しかも、ルシファーの出典は「イザヤ書」だ。
第一の壁画の絵のモチーフも同じ「イザヤ書」だった。
「ああ、お前は天から落ちた。明けの明星、曙の子よ。お前は地に投げ落とされた。もろもろの国を倒した者よ。」(新共同訳「イザヤ14:12」)
天から落ちた明けの明星が、後に“ルシファー”の意味になった。そして、世界支配層とは、神に反逆したルシファーこそが“真の神”であると考え、崇拝している集団だ。
以上のように、デンバー国際空港の4枚の壁画は、現在の世界が、近未来に起きる大きな戦争と環境破壊とで完璧に破壊された後に、「ルシファーの支配する新世界」へと生まれ変わることを、暗に人々に告げるものなのだ。
もちろんそれは「彼らの支配する世界」、すなわちNew World Orderである。
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