みなさん、こんにちわ。
おそらく今から1万数千年の昔のことだと思いますが、「ノアの洪水」と呼ばれる災害によって「前の人類文明」が滅び、代わって私たちが今いる世界が誕生した、と言われています。
その件について、ちょっと連続して記事にしてみます。
先史超文明という概念
ました。私たちが知る「有史」以前に存在した「先史超文明」の様子を比較的よく伝えている文献として、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」が挙げられます。
登場人物はラーマ王子とその妃シータです。
この物語ではヴィマナという飛行機が登場します。水銀を使って飛んでいたことが伝えられていますが、詳細な原理は分かっていません。
興味深いことに、ナチスドイツが試作していたという「ザ・ベル」や、米軍の三角型反重力飛行機「TR-3B」なども、水銀の回転を利用して浮上していると言われます。
また「先史超文明」の物質的な遺産としては、エジプトのスフィンクスや、ジャワ島のグヌンパダン遺跡などが挙げられるかもしれません。
いずれにしても、ノアの洪水以前に、非常に高度な文明があったことが察せられます。
オカルト的には、ノアの洪水後に誕生した私たちの世界は、「第四の世界」と言われています。その後には新たな「第五の世界」が控えているようです。
ホピ族は、その転換の時に「青い星のカチナ」が現れるとしており、一説によると2025年にそれが現れるとも言われているそうです。
「第三の世界」を滅ぼし、「第四の世界」が始まるキッカケともなった「ノアの洪水」がどのようなものであったのか、これから数回に分けて、見ていきたいと思います。
「創世記」は洪水をどう伝えているか
最初は定番・聖書の「創世記」からです。
神がアダムとエバを創造してから相当な歳月が流れた頃です。
「さて、地上に人が増え始め、娘たちが生まれた。神の子らは、人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。(略)当時もその後も、地上にはネフィリム(Nephilim)がいた。これは、神の子らが人の娘たちのところに入って産ませた者であり、大昔の名高い英雄たちであった。」
さらっと書いてありますけど、かなり異様な内容です。
神の子が人間の女性と混血して、生まれてきたのがネフィリム(巨人)だというんですね。
虚心に読めば、ここでいう「神」とは、理念的な宇宙の創造主のことではなく「地球外から来たエイリアン」のことではないか、というふうにも思えます。
一般の聖書の記述はこれだけですが、この部分を詳しく記しているのが「エノク書」という文献です。
その神の子の名前が20人くらい記されていたりします。ノアと洪水についても、より詳しく記されています。
さて、神は「地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っている」のを見て、人間を造ったことを後悔し、「地上からぬぐい去ろう」と考えます。
対して、この時代にあっても、ノアは「神に従う無垢な人」でした。
それゆえ、神は、ノアの家族だけを生き残らせて、あとは滅ぼすことを決意します。
「この地は神の前に堕落し、不法に満ちていた。(略)神はノアに言われた。『「すべて肉なるものを終わらせる時がわたしの前に来ている。彼らのゆえに不法が地に満ちている。見よ、わたしは地もろとも彼らを滅ぼす。(略)」
人類粛清宣言ですね。
神はノアにだけ箱舟の製作を指示します。
今の単位でいうと、一説によると、長さ135m、幅22・5m、高さ13・5mになります。
神の言葉を続けます。
「見よ、わたしは地上に洪水をもたらし、命の霊をもつ、すべて肉なるものを天の下から滅ぼす。地上のすべてのものは息絶える。わたしはあなたと契約を立てる。あなたは妻子や嫁たちと共に箱舟に入りなさい。また、すべて命あるもの、すべて肉なるものから、二つずつ箱舟に連れて入り、あなたと共に生き延びるようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。」
かくて、ノアが600歳の時、いよいよ洪水が始まります。
ノアの一族は箱舟に入ります。ノアと妻。セム、ハム、ヤフェトの三人の息子とその嫁たち。そして動物たち。
「洪水は四十日間地上を覆った。水は次第に増して箱舟を押し上げ、箱舟は大地を離れて浮かんだ。水は勢力を増し、地の上に大いにみなぎり、箱舟は水の面を漂った。」
「地の面にいた生き物はすべて、人をはじめ、家畜、這うもの、空の鳥に至るまで、ぬぐい去られた。(略)ノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。水は百五十日の間、地上で勢いを失わなかった。」
その後、雨が降りやんで、箱舟はアララト山に漂着します。
それから何か月か過ぎて、ようやく神から「出てよい」と言われます。
ノアは祭壇を作って神に感謝します。
神は「あなたたちは産めよ、増えよ。地に群がり、地に増えよ。」と祝福します。
創世記いわく「全世界の人々は彼らから出て広がった」。
ノアは、洪水の後も結局350年生きて、950歳で亡くなりました。
古代オリエントの洪水神話
さて、類似の洪水神話は、世界各地にあります。
どうやら、インドから中東メソポタミア、そしてギリシアにかけては、その内容の類似性から、同じ過去の出来事をベースにしているようです。
聖書より古いのがシュメール神話です。
ユーフラテスの河岸にある町シュルッパクの王ジウスドラに対して、エンキ神が洪水による人類の粛清を予告し、かつ大きな船を作るように指示します。
これは粘土板の記録で、紀元前17世紀頃まで遡れます。
で、これとほぼ同じ話が「ギルガメシュ叙事詩」の「第十一の書版」です。
ここでは、シュルッパクの王ジウスドラが「ウトナピシュティム」として登場します。
ギルガメシュは、不死の存在であるウトナピシュティムの噂を聞きつけ、大冒険をして会いに行きます。
このウトナピシュティムが「ノア」に相当します。
ウトナピシュティムは「神々の秘密」を話します。
彼の昔話という形で、過去の大洪水が語られます。
それによると、シュルッパクは古い町で、洪水前から存在しており、みんなの父アヌ、助言者エンリル、水路監督エンヌギ、エアなどの神々が住んでいました。
このエアはシュメールのエンキ神(地の王を意味)と同じと言われています。
ウトナピシュティムが「わが主」として直接仕えていたのがこのエア神です。
で、理由は書いてないんですが、神々はいきなり「シュルッパクの人、家を打ち壊し、船を作れ。持ち物を諦め、おまえの命を求めよ、すべての生き物の種子を船に運びこめ」と命じます。
ウトナピシュティムは忠実に従います。
文脈から察するに、子供たちも参加して、集団作業で船を作ったようです。
労働者たちには「まるで正月のように」牛やら羊やらブドウ酒やらを、連日、大判ふるまいした、とあります。
今風に言えば、どうせ洪水でみんな無くなるのだからと、毎日焼肉パーティーしたんですね。
船は約60メートル四方のキューブ状の木造船で、大量のアスファルトで防水されました。
文字通り「箱船」なんですね。
ウトナピシュティムはあらゆる生き物やモノ・金銀を船に詰め込んで入り口を塞ぎました。そして、物凄い嵐がやって来て、洪水になりました。
七日後、海が静まりました。
「すべての人間は粘土に帰していた」と、さらりと怖いことが書かれています。
船はニシルの山に辿り着きます。そして、山の頂でお祝いをします。そこに神々がやって来て、「これまでおまえはただの人間だったが、今よりおまえと妻はわれら神々のごとくなれ」と言って、ウトナピシュティムに不死を与え、河口に住まわせます。
ウトナピシュティムは、以上の昔話を、ギルガメシュにします。
「昔々こんなことがあったのじゃ」と。それを、ギルガメシュが叙事詩にまとめた、ということです。
インドの洪水神話
さて、インドでも似た神話があります。
ヴィシュヌ神の第1の化身(アヴァターラ)は、マツヤ(サンスクリット語で“魚”)といいます。
ある日、神々の子孫のマヌ王が川に入り、水をすくうと、手の中に金色の小魚がいました。
これが神の化身マツヤです。
マヌはマツヤを飼います。成長するにつれ、壺→池→湖→海へと放ちます。
ある日、マツヤは巨大化して、ヴィシュヌ神の化身であることをマヌに知らせます。
そして次のような予言をし、指示しました。
「7日後に大洪水が起こり、世界は水没するだろう。おまえは船を用意し、七人のリシ(聖仙)と全ての植物の種子を乗せなさい」
予言通りに大洪水が起こると、マツヤ(ヴィシュヌ)は、自らの頭の角と、船の舳先とを、ロープ代わりに大蛇ヴァースキで結び、ヒマラヤ山頂までけん引した。
こうして、マヌは生き残り、新しい世界における人類の始祖となりました。
どうやら、このマヌさんが、聖書のノアに当たるようです。
ギリシアの洪水伝説
似た物語はギリシア神話にもあります。
デウカリオーンがノアに当たります。
デウカリオーンは、あのプロメテウスの息子なんですね。
洪水前、リュカーオーンという邪悪な地上の有力者がいて、数十人の息子たちと、一族で悪行を重ねていました。
ゼウスは貧しい旅人に扮して、彼らのところを偵察に訪れた際、危うく人肉を食わされそうになるんですね。
以下、「ウィキペディア デウカリオーン」から引用させていただきます。
「ゼウスはこれらのことで人間に嫌気がさし、絶滅させてしまおうと、地上に大洪水を起こした。南風とともに豪雨が起こり、恐ろしい速さで海の水かさが増した。沿岸や平野にあるすべての都市が流され、世界はわずかな山の頂以外は水浸しとなった。
しかし、デウカリオーンは父プロメーテウスから警告を受けていたので、いち早く方舟を作って食料を積み込み、妻ピュラーとともに乗り込んでいた。9日間水上を漂い、ようやく水が引くと、方舟はパルナッソス山に漂着した。」
こうして、高い山に逃れた人々以外は、みんな滅んでしまったんですね。
さて、以上のように、イスラエル、メソポタミア、インド、ギリシアに伝わる洪水伝説は、互いによく似ているんですね。
細かい部分は異なりますが、話の骨子は同じです。
どれも、ノアに当たる人物が、事前に警告を受けて船を用意したとか、最終的に山に辿り着いたとか、人類の始祖となったとか、明らかに共通しています。
やはり、実際に起こったことを基にしているのではないでしょうか。
今回は以上です。ありがとうございました。
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