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現代と9世紀後半との類似性

平安初期にあたる9世紀後半といえば、主に貞観(859~877)、元慶(877~885)、仁和(885~889)時代に当たる。この時期、日本はかつてない内憂外患を迎えた。

まずは天変地異である。それは富士山の大爆発で幕を開けた。864年から866年にかけて大規模に噴火し続けた(貞観大噴火)。青木ヶ原樹海はこの跡に形成されたという。

噴火から約5年後の869年、今度は三陸沖を震源とするM8.3以上の大地震(貞観三陸地震)が発生し、つづく巨大な津波によって当時の陸奥国の大半が壊滅した。この地震と今回の東日本大震災との類似性は、よく指摘されるところである。

878年には、関東地方南部でM7.4と推測される大地震(相模・武蔵地震)が起こった。相模国(今の神奈川県)と武蔵国(今の東京・埼玉)では、震度7と推定される揺れにより建物がことごとく倒壊し、甚大な被害が出たという。

そして、887年には南海トラフを震源域とする大地震が発生した(仁和地震)。M8.5前後と推定され、近畿地方一帯で建物の倒壊や津波による被害が生じた。とりわけ摂津(今の大阪北部)において多数の溺死者が出たという。当時の記録はどうしても近畿地方に偏っているが、地質の堆積物調査などから実際には東海・東南海も含めた三連動型地震であったらしい。当時の特徴として、地震動が異常に長く続いたことが挙げられる。

以上が主なものだが、この時代は基本的に旱魃や凶作が相次ぎ、経済が混乱し、各地で飢餓や疫病が頻発していた。背景には世界的な気候変動があったようだ。当時、一時的に寒冷化が進んだと考えられている。そのため日本だけでなく、この時代はヨーロッパから東アジアまで凶作が多く、国家の再編が進んだ。遠くはマヤ文明も急速に衰退した。

内政面でも大きな変化が生じた。この時期、それまでの天皇親政から、大貴族中心の政治へと移行した。藤原一門が外戚として天皇の廃立を事実上コントロールするようになり、以後、摂政・関白職を一族で独占していく。また、初期の荘園が形成され、貴族間の抗争や豪族の反乱などが激化し、土着側と統治者側ともに武装化が進んだ。やがて朝廷・貴族の警護役や、地方有力者の私兵などから、武士の原型となる存在が生まれていく。

すぐ海の向こうに目を向けてみると、大唐帝国が崩壊に瀕していた。今日の雲南省で勃興したチベット・ビルマ語族の王国「南詔」や、チベット族の「吐蕃」が唐を圧迫していた。国内では各地で民衆蜂起、群盗勢力の跋扈、将兵の反乱などが相次いでいた。政治は腐敗し、宦官の専横、官吏による横領、官職売買などが横行していた。874年、黄巣の乱により実質的に滅亡する。晩唐は一小国に転落し、やがて消滅。宋によって再び統一されるまで、中国は約半世紀にわたる五代十国時代を経ることになる。

一方、当時は新羅がことあるごとに日本にちょっかいを出していた。新羅人の賊が対馬に侵入し、略奪や強姦、拉致を繰り返してきた(貞観の韓寇)。ただし、賊といっても国家公認の集団である。一方、国内には新羅に内通して反乱を企てる集団も現れた。当時の新羅は、正面きって日本に挑めるだけの国力はなく、主に民間の犯罪集団を使唆する形で対日非正規戦を実行していた。興味深いことに、政府が公には責任外に位置しながら、実際には民間をけしかけて日本を攻撃するという手口は、今でも彼らの常套手段である。

結局、当時の日本は、中国や朝鮮半島との関係をほとんど絶った。朝廷は堪忍袋の緒が切れて、やりたい放題していた内外の不逞新羅人を軍事力で討伐した。また、唐の衰退を見越し、遣唐使を公式に廃止した。宋になってから、また改めて関係を模索した。

生物は地理的隔離によって独自の進化を遂げるというが、中国の亜文明国家だった日本もまた“孤立”することで、以後、独自の文学を生むなど、急速に国風化を進めていく。

以上が9世紀後半に起こった出来事である。

ひるがえって現代。最新の研究からは、巨大な地震や津波がほぼ定期的に発生していた事実が分かっている。太陽活動とそれに伴う気候変動にも何らかの周期性があるらしい。よって、三陸沖の巨大地震以外にも、これから富士山の爆発、関東大震災、東海から南海にかけての連動型地震、一時的な気候の寒冷化などが繰り返されるかもしれない。

一方、東アジアの国際関係も当時と類似してきた。歴史の再現性について過度の信仰を持つべきではないが、国家の位置もそこに住む人間も、当時とさして違わないという客観的事実は重要だ。歴史家のジョン・トーランドは「歴史が繰り返すのではなく、人間性が繰り返す(ゆえに歴史が繰り返すように見える)」と喝破した。

当時と同じような国があって、同じような人間が住んでいて、その人間性が繰り返すとすれば、歴史もまたある程度繰り返したとしても、何ら不思議ではない。

現在、中国共産党による一党独裁体制が限界にきている。ほぼ“王朝末期”に当たるといえよう。願わくば「大唐帝国崩壊モデル」に突き進んでほしいものだ。すなわち、帝国が分裂し、チベットやウイグルがむしろ中原を圧迫し、華北から華南にかけては文治国家として再生する。“日中友好”はその時に改めて模索すればよいのではないだろうか。

他方、韓国は日本に対して盛んに非正規戦を仕掛けている。しかも、米軍撤退後を見据え、日本を仮想敵国とした中韓軍事同盟を模索している段階だ。この期に及んで現実を直視できず、対中国・北朝鮮においてバッファーとしての戦略的価値を有するから同盟を堅持せねばならぬ、などと未だに強迫観念に駆られている者が少なくない点において、現代日本人は明らかに9世紀の祖先よりも劣っているように思える。韓国の対日政策の原型が当時に見て取れるというなら、対策のほうもまた当時に学ぶことができるはずだ。

最後に。歴史の繰り返しは国内においてこそもっとも顕著かもしれない。9世紀の国難は富士山の爆発で幕を開けた。同じように、311の震災がまだ始まりに過ぎないとすれば、これからの日本がどれほどの艱難辛苦を経験するかは想像に難くない。9世紀がそうであったように、今回も大きな政変や国家体制の変革は避けられないかもしれない。一時的には経済の混乱や治安の悪化もありうる。しかし、いつの時代でもそれをバネにすることで日本が進化してきたことを思えば、試練こそチャンスという見方もできるのではないだろうか。

2013年07月01日「アゴラ」掲載

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