1月6日、日本政府はついに韓国への対抗措置をとった。市民団体による日本総領事館前の慰安婦像設置に対して、韓国政府が認めるような真似をしたためだ。
もともと「日韓で慰安婦問題に関する合意をしたところで、どうせ韓国は裏切るに決まっている」という声があったが、その通りになったということだ。
もっとも“対抗措置”といったところで、せいぜい駐韓大使の一時帰国とか、通貨スワップ協議中断とか、その程度の軽いものだ。本来なら、2012年8月の、“ネズミ大統領”ことイ・ミョンバクの竹島上陸・天皇陛下侮辱発言あたりで、韓国とは縁を切るべきだったと思う。こんな国と国交があって、台湾と国交がないのはおかしな話だ。
・・・というような、情緒的な感想を言うことが、ここの趣旨ではない。
私はこのところずっと、“役立たず”の韓国が「第二のアチソンライン」で“処分”されるのではないか、という推理を書いてきた。で、私がそう書いている時に、まさにアメリカの奥の院で、そういう方針に転換したのではないか・・・。日本政府の今回の措置は、その現われではないか・・・という、そういう話をしたいのだ。
日韓関係は、米の極東戦略や安全保障政策とも密接に関わっている。だから、今回の韓国への対抗措置も、事前にアメリカの了承を得た上でやっているはずだ。
日本の対韓措置は米の方針転換の表れだ!
少し前に、この件で、日本の外務省と韓国外交部の事務方トップ同士が「ワシントン」で会談していた。で、アメリカ側が見守る中で、両者は、日韓合意を守れ、いやあれは民間が勝手にやっているだけだ、といった交渉をやっていた。つまり、日本政府はアメリカに十分根回しした上で、今回の措置に踏み切ったのだ。その措置をアメリカがOKした・・・この意味を、誰も、同国の極東戦略や安全保障政策と関連付けて分析していない。
私はつい二日前、こう書いたばかりだ。
つまり、あとはどうやって(朝鮮半島で)戦争を引き起こすか、という問題だけ。その方法として、二種類ある。一つは「積極的挑発法」。もう一つは、手を引いたと見せかけておびき出す「アチソンライン法」。
前者が当初の策だったが、もはや「次策」に切り替えたのではないか、という推測を私は述べていた。今回の日本政府の対韓措置は、その傍証というわけだ。
なぜなら、仮に「積極的挑発法」なら、当初から米韓軍が一体でなければならない。である以上、日本は韓国にも協力的であることを余儀なくされる。だから、それまでのアメリカは、日韓は関係を改善せよ、GSOMIAを締結せよ、と両国に物凄い圧力をかけていた。ところが、「アチソンライン法」だと、アメリカはいったん韓国を切り捨てる。すると、今度は逆に日本が韓国に協力的だと困ることになる。日本も米に追随してくれないと、韓国を西側から孤立させる「アチソンライン法」はうまくいかない。
だから、今回の日本政府の態度豹変は、アメリカ側の方針転換を意味しているのではないか、というわけだ。
米の方針は12月の間に引っくり返った
ここ最近の出来事を時系列で振り返ってみよう。
- 2016年11月23日、日韓両政府は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結した。名目上は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に関する情報共有の強化だ。
- 2016年11月29日、朴クネが任期満了を待たずに辞任する意向を表明した。
- 2017年1月6日、日本政府が日韓合意を守らない韓国への対抗措置を表明した。
この流れを見ると、米の方針転換はついこの前、昨年12月だったことが分かる。たぶん、朴クネの辞任表明を見て、「積極的挑発法」はもはや無理と判断したのだろう。
というわけで、やはり下の記事のようになりそうだ。
今後、2017年6月だろうが、韓国新大統領の選出を受けて、アメリカは本格的に韓国を見捨てる。当然、日本もそれに倣う。日米両国とも「もう何があっても韓国を助けない」とウソをついて、金正恩を狂喜させる。こうして、韓国への軍事侵攻か、又は韓国内での内乱扇動などを誘う。それに対して、韓国がわずかでも救援要請を出せば、アメリカは掌を返して、北朝鮮への猛爆撃へと転じるだろう。
陰謀論になるが、だいたい「影の政府」レベルではすでに決定している。彼らは北朝鮮を絶対に生かしておくつもりはない。ついでに、長年にわたって蓄積している軍需在庫の一掃処分もやりたい。次期トランプ大統領も、米本土向けの核ミサイルを開発する北朝鮮に対して、「そうはさせない!」と断言した。つまり「表」のレベルでも決した。
だから、北朝鮮が自壊する以外に、もはや第二次朝鮮戦争を防ぐ方法はない。
スポンサーリンク